あおい世界
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5月末、ナガイさんからメールがきました。
唐突でしかも深刻な話で悪いんだけど読んでもらえる? 最近のロッキーは、ほぼ完全に寝たきり状態で、 床擦れも起きていて痛々しい状態になってるのね。 食欲はあるから、できるだけの介護はしていきたいつもりなんだけど、 ここ2、3日私の頭には 「 安楽死 」 の文字がちらついてます。 実は飼い主の娘さんからも前に一回相談されていて、 その選択は私次第という状況です。 ただ、どうしても一抹の罪悪感を感じる私です。 雪ちゃんは動物の 「 安楽死 」 についてどう思いますか?
「 安楽死 」 かぁ〜、難しいねぇ。 頭から 「 安楽死 」 を反対する気持ちはないよ。 でもその基準っていうのが難しいんだよね。 うん、それしか言えない。 だからロッキーをどうしたらいいのか…、それは何とも言えないなぁ。 でも、今までのナガイさんを知る限りでは、 「 安楽死 」 を選んだとしても罪悪感を感じる必要はないと思うよ。 それはロッキーのために選ぶことだろうし。 でしょ?!
遅い時間にかかわらず返事ありがとね。 雪ちゃんの見解を聞かせてもらえただけて感謝!です。 ロッキーのこと&私自身のことをじっくり考えます。
そして、10日後にまたメールがきました。
昨日、ロッキーが永眠しました。 夕方いつもの時間に行った際、既に旅立っていました。 疑いようのない安らかな顔で、眠っているようでした。 (実際、最初はホントに寝ていると思っちゃった程…) 雪ちゃんからの励ましのメールで、私の希望する最期を迎えられるって信じられたし、 本当にその時を迎えることが出来ました。 雪ちゃんに与えてもらった、信じて前に進む力は、私の強い味方でした。 深く感謝しています! ありがとう(^−^)
きっと眠るように召されたんだろうね。 ナガイさんの誠意は十二分に伝わったはずだよ。 お疲れさまでした。
ロッキーとは、ナガイ宅の近所の犬。 ある老婦が、孫娘に犬をねだられて柴犬をかってあげました。 最初は、とても可愛がっていましたが、 後に、もっと小さくて可愛い室内犬をかってもらうと、 孫娘は、外にいる柴犬より室内犬の方を可愛がるようになったそうです。
やがて孫娘の家族は、引越すことになりました。 残されたのは、老婦と柴犬。
その後しばらくして、老婦が一人で生活できなくなり、 孫娘の家族の元へと行かなければならなくなったそうです。 歩いて数分のところに住んでいる親戚へ、柴犬の食事だけを依頼して。
糞尿に紛れて、どんどん汚れていく柴犬。 誰も見向きもしなくなっていく中、食事だけは与えてもらっていたようですが、 散歩らしい散歩をされないまま、柴犬は年老いていったのです。
そんな時、若い愛犬を亡くしたばかりのナガイさんが、 いつも散歩コースで見かけていたその犬のことを気にし始めたのです。 最初は、水を替えたり、おやつをあげたりするだけだったものの、 痩せて首輪が抜けたときは、近所中を探し回ったり、 体調が悪そうな時は、病院へ連れて行ったり、薬を毎日与えたり、 その費用も、自ら請求したことはないそうです。 もちろん全てにおいて、近所の老婦の親戚の許可を得てしていたことです。
ナガイさんの自己満足の部分も大きいのでしょうけど、 それだけで1年以上も続くでしょうか。 そこに、見返りを求めない大きな愛を感じずにはいられません。
老婦や孫娘には、どんな風に伝わり、何を感じさせるのでしょう。
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