あおい世界
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2003年09月12日(金) 桃 誕生まで No.2。

桃の妊娠がわかった時、ちょうど引越し前でした。
もともと知人の一軒家の1階部分だけを借りていたのですが、
その知人の申し出で、

もう一軒ある別の持ち家の方に移ってほしい

と言われたのです。

きちんとした契約書も交わさず、敷金・礼金なしの関係ですから、
そう言われたら移るしかありません。
2月頭のことでした。


向き合いたくないつわりを抱え、引越しの片付けをゆっくりしながら、
桜と過ごしていた日中。
前の家は、ほとんど日が射さなかったので、
今度の家の陽だまりがとてもあたたかく感じられました。

そんな新しい家にやっと落ち着いたとき、
また、その家主である知人からの申し出。

今度は、

どこか新しいところを探して欲しい

ということでした。
さすがのあたしも、

それはないでしょ。。。

と思いながら、やはり従うしかありません。


知人の家庭環境などもいろいろ変化していて、
そのことも傍で理解できたので仕方がありません。

急遽、市営・県営・公団などの公営住宅を調べてみました。
が、どこも空きはなく、
当時は申込受付日も半年に一度ぐらいの割合でしかなかったので、
すぐに引っ越すことは出来ない状況でした。
でも、ここに居座るわけにもいかず、
結局、公営住宅に当選するまでは、
元夫の実家とあたしの実家に仮住まいをさせてもらうことになりました。
3月中旬のことでした。

最初は、あたしの実家へ。
二晩目のことです。
元夫は帰って来ませんでした。
タイミング悪く、またギャンブルや借金が原因で、
仕事に行かなくなってたのです。
行けなくなってたのか、どちらかは定かではありません。
朝、実家の母になぜ昨夜帰ってこなかったのかを聞かれて、
あたしは泣きじゃくりながらうずくまるしかありませんでした。


ギャンブルのことはもちろん、
借金のことも度重なる転職のことも両親には隠し続けていたので、
母は寝耳に水の状態でその驚きと悲しみは想像を絶するものでした。


その後は父・兄貴も加わり、
あれよあれよという間に離婚という形になりました。
最後までお守りにしたかったはずの離婚届は、
あっという間に区役所へ提出することになってしまったんです。
この流れについては、いずれまた。


そんな喧騒の中、桃は着実におなかの中で成長をしていきました。
情緒不安定ではなかった、といったら嘘になるような状況。
毎日、実家の母の哀しい顔を見ると逆にあたしは泣けませんでした。
桜と出かけた際に桜が車の中で寝てしまったとき、
それが、あたしの泣ける時間でした。
人気のない路地や空き地に車を停めて大声でしゃくりあげて泣きました。


そんなそんな中で、桃は大きくなってくれたんです。


桜と手をつないで、
おなかの中にいる桃と三人で生きていく覚悟を決めた妊娠期間でした。


 *** つづく ***


桃 誕生まで No.1。


あおい雪  DiaryINDEXpastwillMAIL