あおい世界
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ある程度の年齢になると、 人生においての自分の師匠というのが現れるでしょ?
あたしにも何人かいる中で、 人ではなく、犬に教えられたことがあるのよ。
10歳の時、遠い親戚のうちに結婚式のおよばれでお邪魔した際、 その家で飼っている犬が子供を産んでいたの。
もう親から離してもいいくらいのちょうどよい子犬。
小さいときから動物が大好きで、 近所の犬を勝手に散歩に連れ出したりしていたあたし。 母は絶対その子犬を欲しがるだろうと、予測していたようで、 すんなりその中の“女の子”を頂くことになったのね。
今でこそありふれているけど、 当時はとても珍しい犬種***ダックスフント*** ベティーと名付け、17歳までまざまざと生き様をみせてくれました。
大袈裟?
いえいえ、あたしにとっては学ばされることがたくさんあったのよー。
濃い茶色の艶々とした毛並みで、とても賢かったベティー。 特に芸を教えたわけではないけれど、 人の言葉を理解しているような顔つきをしてたな。
ベティーは2歳半の時に6頭の子供を産み、 そのときの子でやはり“女の子”を残したのね。 ジェミーと名づけ、ベティー同様に可愛がっていたの。 でも、すぐそばに親犬がいるジェミーは 何歳になっても子供で、愛嬌があって可愛いかったけど、 賢さというのは、あまりなかったみたい。
ジェミーは2回出産。 でも、あまり母性本能も強くなく、しょっちゅう子犬のそばから離れては あたしや母や実母のベティーに甘えにいき、 ベティーは孫にあたるその子犬の世話をつきっきりでしていて、 しまいには乳まで出して、飲ませていたのよ。
母性本能の強さに天晴れですね。
犬も高齢まで生きるようになり、 結局年をとってからのほうが長いんですよね。 少しずつ歯が抜け落ち、ガタガタになり、 足腰が弱くなり、耳が聞こえなくなり、 しまいには、時々ぐるぐると部屋の中を徘徊するようになり、 死ぬ間際は3週間寝込みました。
さすがのジェミーも、ベティーの傍から離れず、 ずっと寄り添っていたわね。。。
で、最期の日は土曜日の朝。 あたしが休みの日。 ・・・・そんなことまで、気をまわしてくれたのかな・・・ なんて、勝手に解釈。
『ありがとう』
火葬し、動物用の共同墓地へ埋葬。
一生 を見せてくれたのね。
しつけをさせてもらって、 妊娠・出産・子育て・老化現象・老衰・・・・
そして無償の愛を教えてくれたのね。
愛とは 求めるものではなく、与えるものだと。
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