あおい世界
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2003年04月07日(月) 師匠。

ある程度の年齢になると、
人生においての自分の師匠というのが現れるでしょ?

あたしにも何人かいる中で、
人ではなく、犬に教えられたことがあるのよ。

10歳の時、遠い親戚のうちに結婚式のおよばれでお邪魔した際、
その家で飼っている犬が子供を産んでいたの。

もう親から離してもいいくらいのちょうどよい子犬。

小さいときから動物が大好きで、
近所の犬を勝手に散歩に連れ出したりしていたあたし。
母は絶対その子犬を欲しがるだろうと、予測していたようで、
すんなりその中の“女の子”を頂くことになったのね。

今でこそありふれているけど、
当時はとても珍しい犬種***ダックスフント***
ベティーと名付け、17歳までまざまざと生き様をみせてくれました。

大袈裟?

いえいえ、あたしにとっては学ばされることがたくさんあったのよー。

濃い茶色の艶々とした毛並みで、とても賢かったベティー。
特に芸を教えたわけではないけれど、
人の言葉を理解しているような顔つきをしてたな。

ベティーは2歳半の時に6頭の子供を産み、
そのときの子でやはり“女の子”を残したのね。
ジェミーと名づけ、ベティー同様に可愛がっていたの。
でも、すぐそばに親犬がいるジェミーは
何歳になっても子供で、愛嬌があって可愛いかったけど、
賢さというのは、あまりなかったみたい。

ジェミーは2回出産。
でも、あまり母性本能も強くなく、しょっちゅう子犬のそばから離れては
あたしや母や実母のベティーに甘えにいき、
ベティーは孫にあたるその子犬の世話をつきっきりでしていて、
しまいには乳まで出して、飲ませていたのよ。

母性本能の強さに天晴れですね。

犬も高齢まで生きるようになり、
結局年をとってからのほうが長いんですよね。
少しずつ歯が抜け落ち、ガタガタになり、
足腰が弱くなり、耳が聞こえなくなり、
しまいには、時々ぐるぐると部屋の中を徘徊するようになり、
死ぬ間際は3週間寝込みました。

さすがのジェミーも、ベティーの傍から離れず、
ずっと寄り添っていたわね。。。

で、最期の日は土曜日の朝。
あたしが休みの日。
・・・・そんなことまで、気をまわしてくれたのかな・・・
なんて、勝手に解釈。

『ありがとう』

火葬し、動物用の共同墓地へ埋葬。

一生 を見せてくれたのね。

しつけをさせてもらって、
妊娠・出産・子育て・老化現象・老衰・・・・

そして無償の愛を教えてくれたのね。

愛とは 求めるものではなく、与えるものだと。


あおい雪  DiaryINDEXpastwillMAIL