戯言
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2001年10月31日(水)

君の手のひらは

あたしを転がすためにあるの?



あたしはもっと

強い女だと思ってた


自分の意志があって

簡単には揺らがない

可愛げのない

強い女だと

君に出会う前は思ってたんだ



だけど

君と出会って

あたしは

君に引き込まれていった


君から感じる全てに

あたしはすぐに

惹かれていった




君はそんなあたしを

赤ん坊のように扱ったね


優しく頭を撫でてくれたり

とろけるような言葉をくれたり

そしていつも

大きな体で包み込んでくれた



そんな毎日が続いて

あたしは気付けば

弱い女になってた


意志なんてなくなってた

君のために変わりたくて

君のためにきれいになりたいと

そう願うようになってた



君の大きな手のひらの中で

あたしは君の思い通りに転がって


自分を見失って

見えるものはもう

君だけで

なりたいのはもう

君に愛されるあたしで



それは確実に

堕ちてゆく感覚なんだけど

あたしはその感覚が

とても気に入ったみたいなんだ


まるで麻薬のように

あたしの中に流れていく


一度流れ込んできたその薬は

そこから逃れようとする

わずかな自分の理性をも

狂わせてしまった



だからこれからもずっと

君はあたしを

君の手のひらで転がすのを

やめないで




君の手のひらは

あたしを転がすためにあるんだから


藍音 |MAIL

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