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平均律グラヴィーア曲集第2巻12番、 そのプレリュードは、レクイエムに聞こえる。 演奏の速さで印象が変わるから、 あくまでも、自分が思うテンポでのこと。
天界に響く神の声
人々のざわめき
やがて、あの世とこの世が融合するような、 その境目が曖昧に滲んでゆくような展開になる。
数日前からこの曲を練習し始めたのは、 こういう雰囲気が「今だな」と思ったからだった。
今日、カジさんが天界事業部に永久就職。
直前まで、毛玉になった毛を切り取っていた。 「グッドグッド」と呼びかける声が聞こえるのか、 カジさんは時おり私を見ていた(ような気がする) 片付けの続きをしようと部屋に戻り、 再びカジさんを見に行くと、ひとつ息を吐いた。 十数年前、父を看取ったときと同じだった。
ネルの布に載せ、毛を整えて、ふんわりと包んだ。 合掌。
遡ると、ウチに来たのは2005年3月19日だった。 まだフニャフニャの赤ちゃんで、いっときも目が離せず、 でも、なんでもすぐ覚えちゃう子だったね。 年を越せば17歳だったのか・・・ ずっと「カジさんはもう18歳」と思っていたけれど、 ずいぶんいい加減な認識でしたね。
まだ実感がなく、泣けていない。 やることがいっぱいあって、パタパタ動かなくちゃならなかった。 明日、娘一家が帰省したら、小さい子たちが泣くだろうな。 自分が泣くのはもう少し時間が経ってからかもしれない。 日々のルーティンがあることは、ずいぶん支えになる。
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