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2009年11月11日(水) どちらが子供のわがままか

デジタル放送に私的録画保証金の徴収は必要なのか、権利を死守しようとする団体とメーカーの間での戦いが…

本来、私的利用目的に著作権は適用されません。つまり自分が折角買った音楽ソフトが傷むのが忍びないのでテープに録音して、普段はそちらを利用することは全く問題のないことで、それを友達のために録音したとか、それを販売したとなるとそれは著作権違反となると言うことだったのです。

しかし、CDの普及から主流となったデジタル物は、ダビングしても画質が劣化しないためいくらでもオリジナルと同じレベルの複製を作る事ができるため、それを悪用して海賊版が出回るため、個人の権利を無視してダビングが出来ないようガードをする措置が執られてきました。そして、それ以外に著作者の権利を守ると称して、補償金と称する金を巻き上げる団体を作って居たのです。

それに対し東芝が、「(デジタルソースを)アナログには無限にダビングが出来るけど、デジタルにはダビング10などの予防措置が講じられているのだから、無限には出来ない筈。だとしたら、その保証金を払うこと自体が不要ではないのか」と私的録画補償金管理協会(SARVH)への支払いを拒否しました。

これを受けSARVHが、「メーカーの主張は子供のわがままと一緒」というコメントと共に、支払いを求めて東芝を提訴したということです。

「メーカーの主張は子どものわがまま」 SARVHの東芝提訴受け権利者団体が会見
「メーカーの主張は子どものわがままと同じレベル」――権利者91団体がSARVHの東芝提訴を受けて会見。訴訟の提起は「当然」とした上で、「補償金の原点に立ち返って議論を再開すべき」と主張している。
2009年11月10日 22時17分 更新

 「メーカーの主張は子どものわがままと同じレベルだ」――「Culture First」を掲げる権利者側の91団体は11月10日、私的録画補償金管理協会(SARVH)が同日、東芝に対して補償金支払いを求める訴訟を起こしたのを受けて会見した。提訴は「当然」とした上で、「補償金の原点に立ち返って議論を再開すべき」と主張している。

 補償金をめぐっては、文化庁傘下の私的録音録画小委員会などで議論が行われてきたが、メーカー側と権利者側の意見は対立し、すれ違ってきた。今回問題となっているデジタル放送専用DVDレコーダーに関しても、メーカー側は「課金対象か明確になっていない」、権利者側は「明らかに対象」と解釈。意見が対立している。

 SARVHは、メーカーから補償金を受け取り、権利者に分配する公益法人で、日本レコード協会など権利者3団体が会員。SARVHの東芝提訴は、ダビング10などをめぐってたびたび衝突してきたメーカー側と権利者側の対立の帰結ともいえる。

◆デジタル専用レコーダーも「明らかに課金対象」

 メーカー側が、「課金対象か明確でない」と主張する際によりどころにしているのは、文化庁が5月に出した政令の施行通知だ。地上デジタル放送専用録画機について、「関係者の意見対立があれば必要な措置を講ずる」と明記してある。

 一方、SARVHや権利者側がよりどころにしているのは、文化庁がSARVHからの照会に答えて9月に示した「デジタル放送専用録画機も補償金の課金対象」とする見解だ。「DVD機器は、いまの法制度では政令指定されている。映像ソースがデジタルかアナログかという規定はない」と、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原端夫 常務理事は話す。

 権利者側の見方によると、文化庁が5月に出した施行通知は、「意見の隔たりが顕在化した際、制度の見直しの議論の必要性に言及したもの」。今後の法改正などを視野に入れた、未来の議論の可能性について書かれたもので、現行法の運用とは切り離すべきという考え方だ。

◆「メーカーの主張は子どものわがまま」

 「デジタル専用機が録画補償金の対象とならないなら、(地上デジタル完全移行の)2011年には録画補償金制度の機能が停止することになる。到底容認できない」と、実演家著作権隣接センター(CPRA)運営委員の椎名和夫さんは話す。

 「メーカーは、補償金を支払わないことによって補償金制度の事実上の停止を狙っている」と権利者側はみており、「補償金徴収に協力しないことで、補償金の機能停止を半ば強引に既成事実化しようとするメーカーの姿勢は大きな問題がある」と椎名さんは強く批判する。

 日本映画製作者連盟の華頂尚隆事務局長も、「現行法令を無視する不当な行為が横行すると、日本は本当に法治国家なのかという危機感を覚える」とメーカーの態度を厳しく批判。「メーカーは義務を果たさないで権利だけを主張しており、子どものわがままと同じレベル。是正するには、親が子を叱るように、言って聞かせてあげなくてはならない」と、メーカーに対する“教育的指導”が必要と述べた。

◆MIAUや主婦連にも「失望」

 インターネットユーザー協会(MIAU)と主婦連合会が文化庁に対し、「デジタル放送専用録画機も補償金の課金対象」とする見解を撤回するよう求めたことについて、椎名さんは「大きな驚きと失望を覚えている」とコメント。会見を取材していたMIAU代表理事の津田大介さんの質問に対し、「津田さんはコンテンツに興味を持って発言していると思っていたが、MIAUの(文化庁に見解の撤回を求める)リリースを見て奇異な感じを持った」と気色ばんだ。

 権利者側は、補償金制度の根幹について改めて話し合いを行う必要があるとも主張。(1)録画補償金制度の機能停止を主張するなら、それに代わる補償の仕組みを提案すること、(2)ダビング10ルールのもとでのデジタル放送の録画で補償の必要がないと主張するなら、権利者に不利益がないというデータを示すこと、(3)音楽CDからのコピーに絡んだ私的録音補償金の見直し(いわゆる“iPod課金”)になぜ応じないのか――などが今後の論点としていおり、議論の場が整備されれば積極的に参加していくとしている。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/10/news129.html

著作権者の権利を守る…とても大切なことだとは思います。しかし、これら団体の主張はどうも「屁理屈」のように感じます。

ハインライン調の比喩を使うなら、「今の時代にランプ製造メーカーが、電気が普及したおかげでうちの経営が破綻しかけているので、電気を使う量に応じてうちに補償金を支払え」と言って居るようなものと感じます。

海賊版の防止などはダビング10などの機能で抑制すべきであり(それでさえ、個人の権利を侵害している物として、私には受け入れがたい物という認識がありますけれどね)、更に著作権料を支払わなければならない理由が見つかりません。制作者側が自分たち著作者の当然の権利と主張することに、残念ながら私は合理性を感じられません。

どうかこの問題を早めに俎上にあげ、議論を尽くして欲しい気持ちで一杯です。

トスバックの時代からアンチ東芝的私ですが、今回だけは東芝を応援したい気持ちで一杯です。ええ、私にはSARVHの主張こそが子供じみたわがままに思えてなりません。


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