The Green Hills of Earth
2008年02月10日(日) |
倖田來未さんの発言と裁判員制度… |
35歳を過ぎると、羊水が腐ってくる… そんな発言をしたとして、さまざまな所が「問題発言」と取り上げているようです。
私にすれば、「また、過剰反応しているねぇ」って感じです。 確かに影響力のある人気者の発言ですから、ある意味不用意なことは言うもんじゃないというのは賛成です。でも、だからといって彼女は言ってしまえば、たかだか歌を歌う人です。別に学者でも教授でもありませんわね。そこに無知からくる根拠のない話があったとして、それをどうしてここまで叩かなければならないのか、私には理解できません。
35歳を過ぎて子供ができない人、子供が欲しくてもなかなかできない人(一応言っておきますが、私の家庭もそれに属しております)が「ひどいこと言うなぁ」と憤慨する気持ちもわからなくもないですが、根拠のない迷信をそうととは知らずに信じているなんてどこの誰にだってあることでしょ。
前にも書いたことがありますけれど、私の田舎の叔母は「コカコーラには炭が入っている」と信じきっていました。炭と炭酸の区別がつかないんですね。そんな他愛もない間違いを信じている人はたくさんいますよ。はるか昔から非科学的ではあっても言い伝えられてきたさまざまなことの中には、化学的には何の根拠もない話も多いでしょう。昔は二十歳を超えてまだ嫁に行かない女がいるなんて常識の範囲外だったでしょうから、「35超えて赤ちゃんができない人の羊水が腐っている」なんて話は「そんな風に言われたくなかったら早く嫁に行って、丈夫で立派な子供作れや」という話につながるだけの話ではないでしょうか。今そんな話を面と向かっていったら、セクハラだの何だのって騒がれるかもしれませんが、少し前まではそんな話は普通の話だったでしょ。女性が仕事をするなんて騒ぐより、まずは結婚して子供を作れ。それができない女は欠陥品だ。そういう風潮が蔓延していたのですから。倖田來未さんがどんな環境で生まれ育ったのかわかりませんけれど、そんな迷信というか根拠のない話を信じている人がそばにいて、そういう話を聞いて育ったのなら、別にそういう話をしてしまうことは仕方ないというか罪のない話だと私は思いますよ。
確かに今現在子供が欲しいのにできない人などが聞いたら傷つく話かもしれませんが、別に誰かを名指しして非難したわけでもないし、「ああ、倖田來未さんは無知でしたね」で終わる話じゃないですかね。
前にも同じようなことを書きましたけれど、インターネットとかブログとか、誰でもが好きなことをかける場ができたことは喜ばしい反面、誰でもが無責任な言葉を発することができるようになったことはとても危険だと私は思います。誰でもが「無責任」に思ったことを書いているそれを都合の良いように集計して「世論はこうだ」という言われ方をされてはいないでしょうか。
そういえば、来年から裁判員制度が開始されるそうですね。そして、裁判員に指名された人の負担を減らす目的で、その裁判は集中的に短期間でまとめて開催されるのだそうです。 もともと責任のない裁判員が、独自の偏見でその裁判に臨むとき、その偏見を修正する時間もないまま短期間で結論を下さなければならない裁判…果たしてそれは公正明大な裁判となるのでしょうか。
倖田來未さんの発言は確かに不用意で、一部の人を傷つける発言でした。しかし、そんなに大問題となるような話しだったとは思えません。それより、そんな程度の話を大問題に仕立て上げたブログやマスコミの無責任な批判のあり方の方がわたしには大問題に見えて仕方ありません。
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