The Green Hills of Earth
2005年03月21日(月) |
ライブドアの事 緊急激論という割りに実のない話だった… / この時期、権利を考える事 |
日本テレビの「ザ・ワイド」と言う番組で、キャスターの草野仁がライブドア堀江社長にインタビューをしたと言うことで、それを「緊急激論」というタイトルで取り上げていました。
要約すると「堀江社長がやりたいことを万人に判りやすく説明するべきではないのか」という問いに対し「これが選挙なら公約を全てお話ししますが、ビジネスですから言えない。言う必要もない」と言う事で終わりでした。 この問答に対して、コメンテーターと称する人たちは、「敵対的買収を仕掛けているんだから、フジテレビ、ニッポン放送の社員に対して十分に説明をする必要があるんじゃないか」なんてコメントをしていました。
つくづく甘いなぁと言わざるを得ないと思いますね。 株式はお遊戯じゃないんですよ。支配権を持った人が、その人なりのビジョンを持って経営をしていくのが株式会社なんじゃないですか。旧態然としたマスコミ業界に新進企業(である必要もないですが)が新しいビジョンを持って支配権を奪い取ろうとしている所にそれはどんなビジョンなのかを説明してくれって言うのは、今まさに画期的な製品を販売しようとしている企業に対して、それを発売する前にライバル会社にサンプルを渡して十分研究対策ができる余地を与えるべきだと主張しているようなもので、お話にならないバカげた事だと思います。 また、「堀江社長が旧態然としたマスメディアは不要と言っているから、支配権を獲得したらどうなるか判らない」なんて馬鹿な事を平気で言える人たちがマスコミとして放送を流している事に本当に危機感を感じます。確かに今はインターネットでニュースを見て、番組なども将来的にはテレビよりインターネットにシフトしていくのかもしれません。しかし、今現在を見て、すぐにテレビというメディア、ラジオというメディアが無くなってしまうかと言われたら、誰の目で見ても「No」である事は明らかです。これを10年のスパンで見てもほぼ確実にテレビ、ラジオは無くなっていないでしょう。余程革新的な何かが起こらなければここまで普及したメディアが突然絶滅するなんて事はあり得ないのです。少なくともその主力がインターネットへシフトするとしても、テレビ業界が全て無用の長物になるのではないって事は「誰が番組を作るのか」と言う事を考えても分かりそうなものですね。インターネットかテレビかなんて事は単なる搬送媒体の違い程度のものだと思いませんか。 ついでに「世間の皆さんは、堀江社長が説明をしないから、説明を求めている。説明をすべきだ」というような事を草野某は堀江社長に言っていましたが、世間の皆さんはそんな事を求めていないんじゃないのかな。求めているのはゴシップ好きの人とゴシップを報道と間違えている自称「公共メディア」の人たちだけでしょう。良識ある人は、それは企業倫理に悖る事だと理解していると思いますよ。
これだけ時間が経過してからインタビューをしたのですから、もっと違う目で見た新しい何かがあるかと期待したのですが、結局は堀江社長に「その話はもう何百回もしましたよ」とうんざりされるような内容でしか無かったのは残念でした。こんな内容で「激論…」なんてタイトルを付ける事にテレビの馬鹿さ加減が現われているようにも思います。 最近はこの「フジテレビ、ニッポン放送対ライブドア」って、マスメディア側の悪意ある曲解が見苦しくて聞いていなかったのですが、久々に出てきたのでちょっと聞いてみて、この程度の人たちがテレビにしがみついているから、ライブドアが支配権を握ったら、自分たちは真っ先にお払い箱になるんじゃないかと怖がっているのねと良く理解出来ました。結局そんなオチですね。ざんね〜ん
この時期、漠然と「権利って何だろう」と考える出来事があります。 それは、防衛大学の卒業式なんですよ。詳しい事はここで書きませんけれど、簡単に言えば自衛隊幹部を養成するための学校であって、ここを卒業したら自衛隊に佐官クラスとして任官して、将来の幹部候補(佐官クラスでも十分幹部なんですが)となるわけです。 自衛隊同様特別職国家公務員として扱われ、在学中は給料も支払われます。そんなに遠い昔ではなかったと思いますが、そんな中から任官拒否をする輩が現れ始めたんですよ。要は「入学した当時は自衛隊に入って国を守るつもりでいたが、在学して学ぶうちにもっとやりたい事ができた」という建前ですね。
でも、この学校は卒業後に自衛隊に任官される事を前提にした学校です。それを個人の自由を侵害するなと拒否するのは如何な物でしょうかね。いわば敵前逃亡のようなものですよね。と言いつつ、アメリカなどでは敵前逃亡は銃殺もやむなしですが、日本の自衛隊では敵前逃亡に対する罰則がないらしいので話がややこしくなるだけなんですが… 兎に角、大学に学費免除、給料を支払って公務員扱いで勉強をさせる代わりに卒業後には自衛隊で働くという契約を結んだのに、受け取るものだけを受け取って支払いを拒否するって言うのはどう考えてもおかしいんじゃないでしょうか。 少なくとも、その間の授業料の請求、給料の全額返還、違約金の支払いなどは当然の事何じゃないでしょうか。個人的には何年間かの刑務所行きでも「当然」じゃないのかと思っています。
個人の「権利」「自由」が声高に叫ばれています。確かにそれは尊重されるべきですが、しかしそれを叫ぶためにはその権利を守るための責任もあると言う事を理解してほしいものです。そして、この任官拒否はその責任を果たした好意であるとは到底思えないのです。 それこそ「非国民」とみんなで指さす事も大切なのではないでしょうかねぇ。
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