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穴がある。真っ暗で、底は見えない。 大きさはだいたいバスケットボールのゴールくらいだ。 昨晩死んだ愛犬ステファニーの犬小屋を掃除しようと持ち上げたら、 穴がぽっかり開いていた。ステファニーが掘ったのだろうか。 いや、小屋の床には穴が開いていないし、地面はコンクリートなので 掘れるわけがない。さっぱり見当がつかない。穴に顔を近づけてみる。 穴の中を凝視するが、何も見えない。その辺にあった石を落としてみるが、 何も聞こえない。相当深い穴らしい。大声を出してみた。しかし、そのまま 声は消えていった。手を突っ込んでみようにも、怖くて出来ない。
この文章を読んで俺は星新一のアレを連想した。 分かる人にはわかるだろうか。分からない人は名作集「ボッコちゃん」 あたりを読めばきっとわかってくれる。 中学生だったころ読んだショートショート。あの新鮮な感動をもう一度味わいたい。
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