レベル1への道。
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2007年10月02日(火) 最終工場。

何よまた工場の話…?

そんなに工場については熱くないのだが。むしろダムであって。水と山と巨大建造物でしょ、やっぱ。

これはちょっとまた毛色が違って。「最終工場」小林伸一郎。

帯に曰く、工業ニッポンの残像を巡る。

廃墟。工場の、廃墟。廃墟系、廃墟ものってーとどうしても心霊系を連想しちゃってアレなんだけど、そういうのではない。ひたすら、工場の廃墟の写真が並ぶ。淡々と並ぶ。有無を言わせぬ存在感。

朽ちてゆく鉄とコンクリート。剥げ落ちたペンキ、もげて転がったパイプ。倒壊した建屋。茂る草。静寂の中に佇む、役目を終えた機械たち。

凄いねえ。こんな世界があったんだねえ。

旦那が職場で、異動になった後輩から贈られたものなんだけどね。なんと4000円。ちゃんとした写真家が出してる写真集です。別にダムとか工場萌えがちゃんとしてないって訳ではなく。ミーハーとか、流行りとか一切関係なく、写真集としてだけ勝負している本、と言うような意味で。アツい語りもないです。面白おかしいテキストもないです。

作りは、あくまでも淡々とした写真集。

しかしですね…これ見てるとうそ寒くなってくるんです。一見、それなりに風情のある写真もあるんですが、かなりグロテスクに見える写真もあって、ちょっと怖いです。

物悲しい、寂寥感が底にあるのだけど、なんかそれだけじゃない気もするし。色々想像するじゃない。工場、炭鉱、鉱山。時代の最先端だった。往時はそこで人がいっぱい働いていた、賑わっていた、その姿を、息遣いを。今はそこにいないその人たちの思いが残っているようで、読み取れるようで。一歩間違うとやっぱり心霊系に傾いちゃうよな。で、真剣に見入っちゃうので、疲れる写真集(笑)。

どうでもいいけど、言葉にするとやっぱり陳腐になっちゃうわね(死)。

ま、でも、それでも、昔栄えていたが何らかの理由で打ち捨てられた場所、見捨てられた場所には、何かあるよ。魔力でも、霊魂でもなんでもいいけどね、その「何か」が感じられる写真集だと思います。

あっ、でも、フツーに「あ、これ、ラピュタ」とか「これICOっぽい」とか言う楽しみ方も出来ますわよw フツーか?


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玲 |HomePage

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