ここ最近のカメラ本の氾濫を、これを読んでくださっている皆様はどう思っているだろうか。
私がクラシックカメラの世界に入り込んだ頃は、カメラ本の数も少なかったせいか、一冊の本を隅から隅まで熟読していたように思う。ちょうど吸収しやすい時期と重なっていたせいもあるかもしれない。でも、あの頃は、今よりももっと時間があったし、一冊の本ととことん付き合うことができた。だから、どの本に何が書かれてあったかもちゃんと覚えているし、写真用語集の特集なんて、初心者だった私にはとても貴重だった。
でも、最近はカメラ本が氾濫して来たせいか、本屋でカメラ本を見つけても買いたいという衝動が起こらなくなった。買ってもキリがないことを知ってしまったのだ。
そのせいもあるのだろうか。あの由緒正しいクラ専までも、買うばかりですっかり目を通さなくなってしまった。カメラコレクターズニュースも定期購読しているものの、ほとんど読めていない。カメラの資料が足りない、カメラの資料をどうしても手に入れたいという乾いた状態を作り出さなければ、この先も、これらの本に目を通したいとは思わないかもしれない。
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