つらつらきまま


2003年06月05日(木)
人生の衝撃

実は今、東京にきている。
 もうここで何度書いたかしれない「就職活動」で。
 書く度に
 「いやぁーっ、まただめでしたわ。あっはっはー」
 と何度も同じことを書いてきたので、自分でも飽きてきた。
 そのため今回は匂わすようなことを書いても、そのものずばり
 「就職活動で上京します」
 なんてなことは書かず、朝の5時起きで始発のスカイマークで東京へ旅立った。

 あえて今回「就職活動で上京」と書かなかったのは、私自身がその会社で働く姿をいまいち想像できなかったから、というのもある。
 今まで受けては撃沈した会社はそれなりの愛着を覚えていた。
 でも今回の会社は、そういう話があるからということを聞いたのでじゃぁいってみましょうかね、みたいな軽いノリだった。
 …“ノリ”でわざわざ東京くんだりまで行くのが「職欲の秋」の心情を思わせる。
 われながらなんといじらしい。

 で、面接。
 直ボスとなる方。
 この方は会った瞬間
 (あっ、嫌いじゃないな)
 と思った。
 この人のためなら働きたいなぁ、という。
 大ボスのいらぬ一言に思わずツッコミを私もその方もテーブルの下で入れていたのだが、その手つきは二人ともまったく同じだった。

 で、職場見学もさせてもらい、まぁ今日の仕事はこれで終わり、と思い駅にいたら電話がかかってきた。
 「採用です」と。

 聞いた瞬間に私が思ったことは
 (…しまった)
 だった。
 職がほしかったのにいざ決まるとそう思ってしまったのは不思議だけどそう思った。

 (お父さんを一人残して私は行っちゃうんだ)とか
 (25年も住んだ九州を離れちゃうんだ)とか
 (友達、よう考えたらそないにいないやん)とか。
 いろんなことが押し寄せてきて、電車の中では泣きそうだった。

 と、そこに入って来るは一人のオカマ。
 ひげの剃り跡青々。
 脛には毛がわさーっ。
 それでもワンピースとミュール。

 私の涙、半分乾く。

 気を取り直し、再び思いに沈む。
 来月からの採用だから実質3週間程度で家やいろいろ用意せねばならない。
 いくらか大学時代に使ってた家具を使いまわせるけれど電化製品は買わないといけない。
 
 家探しのポイントはいくらかあるが、私の場合欠かせない条件が
 「鳩が飛んでこない家」。
 千原お兄ちゃんも去年のトークで“鳩憎し”を語っていたがすごく理解できる。
 私は長崎出身だがあれは平和の象徴には見えん。

 やるべきことが多すぎてどよどよするなかとりあえず物件情報を見ようと本屋に入った。
 聞こえてきたBGMは

 「えー、和尚が二人いるとめでたいらしいですね。
  和尚がツー、お正月。なんつってね」

 というMCが所々入る、何が何やらさっぱり謎なもの。
 「馬鹿言ってんじゃないよ。山田くん、1枚持っていって」
 という円楽師匠のせりふまで聞こえた。

 私が人生最大にワチャチャしていても、いっぽうでは
 「和尚がツーで、お正月。なんつって」。
 そういうもんなのね、世の中は。

2丁拳銃結成10年目の今年は私の東京デビュー元年。
 「絶対に身を立てるまでは帰らない」
 なんてたいそうなことは思わず、
 「だめになりそうだったら逃げる」
 ぐらいのヘナチョコ精神でとりあえず臨みます。
 そうそう自分を追い込んでいられない。

明日はルミネで2hのカリカを見て帰ります。
 陣内さんの単独、もしくは犬の心単独でも見ようかと思ったけど、ちょっと疲れてその元気無しです。
 
 来月はお笑いに救いを見出す月なのかなぁ。



 Written and  arranged by  seri   || スキン by エンピツスキンニュース++