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2022年02月25日(金) 神がやらなきゃ人がやる。いずれ分かるさ。

ロシアがウクライナに侵攻したというニュースが流れる。
雨後の竹の子の如く「戦争反対」を訴える言葉がSNS上に溢れる。

『パトレイバー2』で陸幕調査部別室の荒川が言ったセリフを思い出した。
「戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる。そう思ったことはないか。
その成果だけはしっかりと受け取っておきながらモニターの向こうに戦争を押し込め、ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる。いや、忘れた振りをし続ける。」

安全な場所に居て「戦争反対」云々を叫んだところで何も変わりはしないのだ。
それは欺瞞でしかなく、その欺瞞が戦争を生む。
真に「侵略」を憎むならば、かつてのスペイン内乱の如く、義勇兵を募ってウクライナに赴き、「侵略者」に対して果敢に武器を取って反撃する必要があるが、誰もそんなことはしない。
ヘミングウェイを見習ったらどうだ?

結局、プーチンは旧ソ連時代のルーティンを踏襲する決断をしたらしい。
妥協してNATOに与するより己の帝国堅持のための闘争を選んだのだ。
突如「スーパーねこの日」辺りに「天命」を受けたプーチンは、交渉のテーブルに引き出すためだけのフェイク演習兵力を実際の「戦争」に使うため、ロシア全軍全人民にウクライナ侵攻を命じた。
78年ぶりの「第2次バクラチオン作戦」である。
西側勢力が東に浸透するのを防ぐためには「プラハの春」のごとく、戦車で蹂躙するのが最も効果的だと。
NATO勢力がロシアに隣接するウクライナまで浸透するとなれば、このルーティンを実践したのは割と理解できる。
長期的にロシアの利益になるかは疑問だが、少なくとも短期的な防衛手段としては他に選択肢はなかったのだろう。
この機を逃せばウクライナがNATO加盟国となって西側軍隊が進駐してしまう。
それまでにこの西欧寄りの現ウクライナ政権を「転覆」させる必要があったのだ。
多少の経済制裁は織り込み済み。
欧州各国はロシアの天然ガスにエネルギーを依存している。
だから全面的な経済封鎖は不可能であることも知っている。
それに国連の常任理事国でもあるからウクライナ侵攻の非難決議は尽く拒否権を行使して潰すことが出来る。
盟友の中国も支援してくれるだろう。
更にロシアは有数な核武装国。NATOがウクライナに直接武力介入すれば全面戦争になりかねない。
そこまでして欧米はウクライナを「助ける」気はないのだということも解っている。

ロシア人民からしてみれば世界一辺倒に塗り込めようとする「欧米エスタブリッシュメント」に抗うのは当然であろう。
「アラブの春」によって、それぞれ土着の文化、経済、宗教を司っていた勢力が一掃され、それに代わって「欧米エスタブリッシュメント」が乗り込んできたが、その結果どうなったか?
安定した秩序は失われ、富は搾取され、内乱とテロの巣窟に墜ち、国は混乱の極みに陥った。
庶民は恐怖から逃れるため、大挙して欧州に難民として慈悲を乞う屈辱を味わうことになる。
結局のところ、これで得をしたのは一握りの欧米に拠点を置く「富豪」だけで、ヨーロッパ、アフリカその他大勢の庶民は貧民に堕とされ、家畜の如く扱われる煮え湯を飲まされたのだ。
今回の「戦争」もエネルギー権益を握る「欧米エスタブリッシュメント」の談合によってガス、電力価格を吊り上げ、世界の庶民から財を吸い上げる手段として行使するだろう。
つまりはコロナ文革原理主義と同じく、全世界の人民奴隷化のための策謀なのだ。
プーチンはそれをよく知っている。
NATOの東方拡大はロシア民族の奴隷化に他ならない。
だからこそ「欧米エスタブリッシュメント」に対して武装ほう起したのだ。
ロシア人民大半の意志はこれで固まっているからプーチンは今尚、指導者でいられるのだ。

狡猾な指導者と核武装。

これがなくして国家は生き残れない。
日本もこの機に乗じて北方領土を奪還すればよいのである。
ウクライナ侵攻で手薄になった極東ロシア軍の虚を突いて、択捉、国後に上陸作戦を敢行するのだ。
あるいは逆にウクライナ侵攻を認める代わりに、北方領土を返還せよと迫るのだ。
少なくとも交渉材料としては、これまでの全く無意味で不毛な外交交渉より何万倍も有効だ。
そうすれば一日にして北方領土は日本に還るぞ。
それが賢い国家のあり方なのだ。
「武力による現状変更」は力のある国家にのみ許される。
それが出来ない国家、民族は滅びるのみ。
この悠久の人類文明を紐解けばそんなことは当たり前なのだ。

憲法9条とかいう「念仏」を唱え続けられたのは、米国との安全保障に胡坐をかいていた時代だからこそ許された。
日本は未だに独立国家ではない。
戦後80年近く経過した今も「横田空域」によって首都の制空権は米占領軍によって抑えられている。
日本は米国の意に反して何一つ実践できない「奴隷国」であることは論を待たない。
そんな国に比べれば、ロシア、中国は「欧米エスタブリッシュメント」に抗く事のできる立派な「独立国」。
そしてそれを確固なものにしているのが強大な核戦力なのである。

日本がこの機に乗じて北方領土を奪還できないのは、まともな指導者もなく、核武装も出来ず、宗主国アメリカに媚びへつらく事しか出来ない哀れな「奴隷」だからである。
そんな惨めな国がロシアを批判する資格など微塵もない。
黙って指をくわえて米国の尻の穴を舐める位が関の山。

中国もこの機に乗じて尖閣辺りを奪ってくるかもしれない。
核武装していない日本などとるに足らない存在だ。
当然、米国が極東の小さい島のために闘うつもりなどないことも解っている。
安全保障条約など冷戦の遺物。
ウクライナと同じくあっさりと見捨てられるのである。

歴史は戦勝国によって作られる。
今後、ウクライナ紛争の結末がどちらに転ぶかは誰にもわからない。
だが、少なくとも核武装国ロシアが「欧米エスタブリッシュメント」に屈服することはないだろう。

文明社会は今日、コロナ文革原理主義、SDGsに代表される「欧米エスタブリッシュメント」による単一価値観で世界を塗り固める策謀が進行中であることは疑いのない事実。
自分たちの固有な民族、文化、創造の価値圏を守っていくにはそれに徹底的に抗い、闘っていく必要がある。
ロシアはそれを実践したに過ぎない。
「欧米エスタブリッシュメント」の奴隷に成り下がる位なら玉砕するほうがまだましだ。
難民となって虜囚の辱めを受けてはならない。
もし、それを避けたいならば核武装し、確固たる力を見せつけるしかないのだ。
憲法9条を神格化して現実から逃避し続けられると思うな。
憲法9条は「何もしない神様」だ。

荒川茂樹は続けて言った。
「神がやらなきゃ人がやる。いずれ分かるさ。」


絶望皇太子