銀色の日記
モクジイク?|モドル?|ススム?
母の顔がだんだん小さくなっている事に気が付いた。 確実に歳をとっている。 当たり前のことだけど淋しい。 病院という限られた枠の中で、自らの足で歩くことも出来ず、ただ歳を重ねていく。 母は幸せだろうか? 家に帰りたい、何度もつぶやく。 帰らせてあげたいけれど、一人では何もできない母に誰かが付きっきりでいなくてはいけなくなる。 誰かがといっても私しかいない。 そんな事してたら、仕事もできない。 もちろん遊びにも行けない。 結婚も出来ないだろう。 そんな風に思う私は親不孝だろうか? 母の人生、これまで決して幸せではなかった。 女手ひとつで育ててくれた。 だけど・・・。 私の心の葛藤は続く。 姥捨て山に捨ててしまった。 そんな後ろめたさが私の足を病院に向かわせる。
母は母でなくなった。 姿形は母でも、中身が違う人になってしまった。 心の準備もする間もなく、突然変わってしまった母にとまどったりもしたけど、 今は"母の顔をした子供"を素直に受け入れようと努力している。
母と造幣局の桜を見に行きたかった。 いつか行こうと約束していた。 多分実現する日は来ないだろう。
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