だからWinMXはやめられない

WinMXを始めて,ずぶずぶとのめりこんでいく過程を綴ったノンフィクション。これって犯罪のドキュメンタリーだよなあ。

WinMXはP2Pのファイル交換ツールだけど,日本の村社会に合わせて独自進化を遂げている。「ファイル公開するけど,許可するまでダウンロードさせない」機能(0パッチとか言うらしい)が重要視されていて,自分の欲しいファイルをDLするには,代わりに相手の望むファイルを与えたり,IM(1対1のチャット)で許可をもらったりする必要がある。このためWinMXのネットワークは日本的というか非常に閉塞的になっていたりする。

筆者はこのWinMX業界?で,ひたすら地位向上を目指し,レアファイルを集め,レアな非公開ピアに参加し,レアな人脈を作っていく。目的のようなものはあるけれど(アニメの××のファイルが欲しいとか),きっとこの人にとってはどうでもいいんだろうね。WinMX空間の中での自分の位置だけが目的になってしまっている。で,ここで行われていることはおそらく犯罪なので,犯罪者ファミリーの中での地位を追い求めてもなあ..と,ちょっとむなしい読後感が残るのでありました。
2003年07月20日(日)

ま2の本日記 / ま2