物理学と神

これはなんと言ったらいいのかな。物理学という学問がいかに神との折り合いをつけてきたか,あまいは神を葬り去ってきたかという観点からの科学史って感じでしょうか。新書だから,それほどシリアスな本ではありません。例えば天動説と地動説,定常宇宙と膨張宇宙,ニュートン/アインシュタイン的決定論と量子論,カオス,人間原理主義といった物理学のトピックにおいて神はどういう立場に置かれたのかを解説しています。

興味深かったのは,物理学では「どうなっているのか」を解明することはできても「なぜそうなのか」は説明できない。例えば重力加速度がなぜ現在の値なのかは説明できないというくだりですね。このへんに「神の手」を感じてしまう人もいることでしょう。
2003年05月01日(木)

ま2の本日記 / ま2