世界は密室でできている

舞城王太郎の新作(なぜか袋とじ)「世界は密室でできている」読了。うがー面白いぜ。今回の主人公は奈津川一族ではなく,中学二年生の少年とその友人。この友人こそが番場潤二郎,別名ルンババ12なのであった。

舞城王太郎作品では,不可能興味たっぷりな謎が次々と提示されるのだが,伏線も捜査もほとんどないまま,即座に名探偵が謎解きをしてしまう。これは「世界は密室でできている」でも同じ。この人ミステリーを書いている意識がないのかも。気持ちいいぐらいの福井弁のビート(?)と,主人公たちの軽やかな行動力を楽しむ青春小説ですな。殺人事件はファンタジーとしての扱い。
2002年05月28日(火)

ま2の本日記 / ま2