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2001年03月12日(月)
押し合い、へし合い、傷の舐め合い

 犯罪者が捕まる。捕まった犯罪者は警察署で取調べが始まる。取調べで警察官に問い詰められる。しかし、ここで自分の犯罪を喋れば有罪確定、裁判で不利になる。犯罪者はどんな事を言われようとも黙秘を続ける。しかし、黙秘を続ける方も辛い。喋ってしまった方が楽だ。問い詰められる事も無い、脅される事も無い。でも、喋った時の自分の立場を考え、黙秘を続ける。「黙秘は辛いけど、黙秘を続けなくてはいけない」、まあ、犯罪者は道義的にしてはいけないことをしているのだから、辛いのなんのいって欲しくないが。
 普通に生きている一般国民も秘密事はたくさんある。喋った方が楽になることもたくさんあるだろう。しかし、喋った時の自分の社会的な立場を考えると喋る事が出来ない事が多い。「喋れば楽になるが、喋る事はできない」
 王様の耳はロバの耳,と言う話がある。この話で王様の秘密を知ったとこ屋は穴を掘ってそこに叫んだ。「王様の耳はロバの耳」と。穴に向かってしゃべったとこ屋は気分すっきり、また日常に戻っていった。
 現代ではどうもこのネットに「叫ぶための穴」を求める人が多い。人には言えないことを身分を隠して公表する。身分がばれないから自分の社会的立場が揺らぐ事は無い。正にうってつけの「叫ぶための穴」である。しかし、ネットで「叫んでいる」人は大抵、公表したところで問題が解決している訳ではない。ネットで叫んでも日常は何も変わらず進んでいく。ネットで叫んで、問題が解決しているのなら、別に良いのですけどね・・・