想
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近所の公園で盆踊りがあったので、金魚すくいに行ってきた。 500円玉をジーパンのポケットに入れて、単身、乗り込んでやった。 我ながら、なかなかの勇気。
こどもは1回200円、おとなは300円。理に適っている。 おとなの私は300円で17、8匹すくうことに成功。 しかし、飼うことはできないので、 というより、連れて帰って目の前で死なれるのが悲しいので、 金魚の入っていたボールと、破れて紙のなくなったオレンジ色の輪っかを、 テキ屋の兄ちゃんに返してきた。 今思うと、あの兄ちゃんの方が私より若いんじゃないか。なんてこった。
金魚すくいは楽しかったけれど、 結局、おとなになってさえ私は金魚一匹救ってやれないのだと知った。
*** 江國香織『なつのひかり』を読み終えた日に。 これはぜんぶ事実だけど。
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