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2007年03月03日(土)  『からくりからくさ』

またしても、新しい方の会社の先輩に、本を借りていた。
梨木香歩『からくりからくさ』読了。

四人と一体(りかさん)の日常を描いた、淡々とした前半部分。それとは打って変わって、物語は壮絶なクライマックスへ。
途中までは、私はどこへ連れて行かれるのだろう、というような、軽い不安というか、足元がふらつく感覚がある。後半、テーマの示し方がちょっと強引かなぁと思えるところもあったけれど、読み終わってみるとけっこう楽しめた、というのが感想。かなりずっしりとした物語。
こんなにも強烈に、誰かと繋がっていると感じたことは未だない。ただ、恨みと祈りのような表裏一体の感覚に、同時に強くさらされるという状態は、朧気ながらわかる気がする。

この一つ前には同じく梨木香歩の『家守綺譚』を読んでいたので、『からくりからくさ』の激しさには驚かされた。ただ、他の梨木作品を思い返すと、やっぱりどこか繋がっているものはあるような気がする。



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3月1日木曜日。
高校時代の友人(綾瀬近辺在住)と、綾瀬のBLDYで夕飯。
とめどなくしゃべる。

面白い物語は、なぜ面白いんだろう。とか。
「面白い」と一口にいっても、色々な面白さがあるけれど。
感情を揺さぶられて引き込まれる、とか、
予想もしない展開で続きが気になって、その本を手から離せない、とか。
結論は、そう簡単には出ない。

脳みそが日常に溶け込んで、日常も脳みそに溶け込んで。
それが完全に悪いことだとは言わないし、言いたくはないけれど、
それだけではどうしてもつまらなくて、つい悪あがきをしたくなってしまう。
私たちは、いつまでこのスタンスをとっていられるだろうか。



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さて。
縁あって、遠路はるばる、東大宮演劇祭に行ってきた。
芝居の感想については、まぁ、あまり触れないことにする。
けれど、「高校演劇っぽい」といっていた友人の言は、当たらずとも遠からず。
社会人が小学生を演じるのは難しい、ということか。いや、そういう問題でもないか。

出演していた友人が終演後の挨拶でテンション高く迎えてくれたことは忘れないだろう。


真 |MAIL