からりと晴れた気持ちの良い天気。と思っていたら、日の沈む頃、急に大きな雲が広がって、空気全体がほんのりと薄い藤色に染まった瞬間があった。不思議な感覚。眼鏡の自分としては、誰かに悪戯されたかと思うくらい、見事なまでに有色透明の空間。うっかり想像してみたくもなる。今頃は肺の中もあんな色になっていたりして。日頃は、空気の色なんて、考えてもみないから。こうして、偶然の一瞬を逃さない決心を、新たにする。