Diary




2005年07月26日(火)
冷静認識

------------

それは殺意だった。
喉を潰し、切り離してもなお、
残ったもの。

揺らぎや激情ではなく。
静かに独立した絶望の果てに
あったもの。

だから、全く、救いはなかった。
どのようにすれば、最も簡単に行えるかを
昏く紅く考えている頭があった。

抑止の涙がこぼれてもなお、
残ったもの。

決意というならば、あまりに軽く、
同時にあまりに重いだろう。

いかなるときでも、認識は残酷だ。
それが真実かどうかさえ、もはや問題ではなかった。

僕は残酷だ。
頸動脈めがけて刃物を突き立て、勢いよく血を浴びたとしても
目を開けたままそれを受け容れるだろう。


BACK      DiaryIndex      NEXT

朔月 [HOMEPAGE]