Yのこと。そのいちは、ここ
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いつか会えますよ、と共通の友人は言う。 けれどワタシは解ってる。 同類だから、解ってる。
一切のしがらみを切っていくこと、 もう、会うつもりは無いこと、
だから、Yは誰にも告げずに、姿を消した。
自分をピエロと言う人だった。 踊らされるピエロではなく、 素顔をあかさないピエロ。
いろんな表情を持ち、 仮面の下から、覗いてる。
Yは特に説明しなかったけれど、 何を言いたいのか、とてもよく解った。
Yの写真が大量に発掘された。 会えなくなった7月から、11月まで。 同じ会社の別の営業所に居たから、 役職が付いたYの写真は容易に出てきた。
会えなくなった頃、 私は必死で探していたのに、見付らず、 会えなくなった今になって、沢山出てきた、「痕跡」
やっぱり、手首に目が行った。
私があげたブレスは、ちゃんと其処にはまってた。
「オレのところに来ないか」
そのメールが来た11月まで
手首に、その存在はあった。
ブレスをしたYの写真が後から後から出てきた。
泣いた。
初めて、泣けた。
たった、数回、 時間にしたら、ほんの数日、共有した、存在。
色濃く残っている、そんな存在。
会えるものなら、会いたい。 会いたい。
一緒に行った場所、 貰った小さなぬいぐるみ、 声、使われていない、携帯電話番号、電話帳、 消せない、繋がらないことは解っているのに。
今、何処で、何をしていますか、 何を、思っていますか、
話しかけます、話せなかった言葉。
Tも、Yの事を知っています。 唯一、彼だけが、私の心の奥底にくすぶる本音を知っていて、 とても貴重な存在だったりします。
以上、Yのことでした。
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