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2003年12月09日(火) 車椅子バスケットボール

 先日行ったドナー登録会での登録者数は12名でした。
 ほとんどが医大の学生。
 ちなみに、骨髄バンクのドナー登録者にはドクターが非常に少ないです。
 仕事柄、忙しくていざ提供となった場合に時間を取り難いという側面もありますが、医者と言えども専門外の知識はもっていないのも低登録現象の要因。
 まだ、「骨髄提供ってどこの骨を削るの?」と真顔で言うドクターがいるんだから…
 そんな中、ドクターの卵が登録してくれる意義は大きなものがあります。感謝

 ドナー登録会の翌日は車椅子バスケットボールのフェスティバル会場でボランティア活動をやりましたが、会場に行く前に「丸山應擧展」を観てきました。
 江戸時代に写生画の技法を世に知らしめた画家、丸山応挙。
 美術展が開かれていることは知っていたんだけど、わざわざ行くこともないかぁ(って、美術館は近所なんだけど)と思っていたら、遠方に住む友達が観に行きたいと言い出したものだから案内してきました。
 観てよかった。
 あんな絵を直に観られるなんてそうそうない。
 とは言っても俺の場合、その絵の歴史的価値とか、歴史的背景とかは興味がなく、絵が持つ迫力(迫り来る「気」)に単に感動したんですけどね。

 これは笑われる話ですが、どうしても俺のイメージの中には「今は昔」の世界に「色」が馴染まないんですよ。
 つまり、歴史的に残されている資料がどれも白黒だから、どうしても昔は色がなかったんじゃないかと思ってしまうのです。
 考えるまでもなくそんなことはあり得ないんだけど。
 いや、たぶん昔の人のほうが「色」に対する感性は持ち合わせていたんでしょうね。
 今のように、どんな色でも人工的に作ってしまえる時代ではなかったわけだし、それだけに色というものを大事にしていただろうし。
 そんな意味でも、江戸の世に書かれた絵を直に観る事が出来るなんて感動です。

 車椅子バスケットボールの方は、まだまだ認知度が低くて観客もゼロに等しかった。
 残念だけど、それが現実で、でも車椅子バスケットボールは健常者もプレーヤーとして出場できるんですが、この健常者のプレーヤーとしての参加が年々増加しているので今後の期待は大きいですね。
 実際に自分でやってみるとそのおもしろさが分かるし、分かると誰かに伝えたくなるし、そうやって地道に認知度を上げていければ地盤のしっかりした競技環境が整備できるだろうし。
 スラムダンクの作者の井上雄彦が「リアル」という車椅子バスケットボールに材をとった漫画を描いているので、ここら辺からも興味をもってくれる若者が増えればいいなぁと思っています。

 障害者スポーツの場合、大きく括るとふたつのジャンルがあって、ひとつは負った障害の残存機能をフルに使って肉体の極限を追うスポーツと、もうひとつは残存機能のなかで出来るものを追うスポーツ。
 車椅子バスケットボールなどは前者としてのプレーが多いわけで、スポーツですから闘いなわけで、漠然と観ていては前者としての障害者スポーツの方が見応えはあります。
 けれど、後者に属する車椅子バスケットボールもあります。頚椎損傷者のやるバスケットボールがそれで、頚椎損傷の場合、首から下の機能がゼロに等しい中でバスケットをやるわけです。
 医学的には機能全廃でも、人間には科学で解明できない底力があるんでしょうね。
 だから俺なんかには、どちらも観ていてワクワクするわけです。
 機会があったら、ぜひ皆さんも障害者スポーツを観て、一緒に参加してもらいたいなぁと思います。





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