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2003年10月30日(木) |
骨髄ドナーにめぐり逢えぬまま |
昨日の正午、一緒にボランティアをやっている仲間の息子さんが亡くなった。 白血病と10年以上闘った末、力尽きた。享年23歳。 2年前までは病状も安定していて、自分の白血球の型と一致するドナーが現れるのを待ち続けていた。 しかしそれはなかなか現れず、アメリカで劇的な効果が報告されているグリベックという薬を投与し一時は病状も安定したが、悪化したため骨髄移植をあきらめ臍帯血移植を去年行った。 順調にその血液細胞は彼の体の中で増殖し続けた。これなら予後はいいはずと誰もが信じた。 けれど、再発してしまった。 もう後はなかった。 賭けとして母子間寛容骨髄移植を行った。 骨髄移植の場合、ドナーとレシピエントの白血球の型を一致させるが、この母子間移植は完全一致ではない。一致ではないが、かつては母のお腹の中で共生していたことから推し量るに、母子間には一致せずとも互いを受容できる何かがあるのではないか?という考えから行われる移植だ。 結果云々ではない、後がない場合の願いを込めた賭けだ。 しかし、結果は残念なものだった。
今も、全国で1000人の患者さんが自分の白血球の型(HLA)と一致するドナーの出現を待っている。
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