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2003年09月23日(火) 火災報知器

 作業服姿の男が二人、なにやら団地内を徘徊している。
 見た感じ怪しそうではないが、このご時世、見た目では判断できない。
 ちょっと探りを入れてみる事にした。

 何食わぬ顔で廊下にポカンと立つ俺。
 程なくして作業服Aが近づいてきた。
 「あ、こんにちは。いまから火災報知器の点検をさせて頂きますのでぇ」
 なんだ火災報知器か。
 そういえば回覧板でそんな知らせが回ってきてたな?たぶん?
 でも、そんな作業員を騙っての窃盗団てこともある。用心、用心。
 なんて考えていたら早速、俺の家から点検が始まった。
 「キュインキュイン」(作業員Aの手に握られた機械の音)
 ん?火災報知器の穴に何か差し込んだぞ。
 むむむ、この穴から俺の家の機密情報を(そんなのあるのかな?)盗もうって魂胆か?
 ややや、そんな俺の心理を察知したのか作業員Aの態度がぎこちないぞ。
 やはりこれは作業員を装った犯罪者っぽいぞ。
 ほら、やっぱり態度が変だ。
 しかし、次の局面に俺はわが耳を疑った。
 「火事です、火事です、避難してください、火事です、火事です、避難してください」
 え?なに?あんた(作業員A)が喋ってんの?と思った俺。
 だから態度が変だったの?と思った俺。
 でも、そうではなかった。
 なんとこの団地に付いている火災報知器は「喋る」のです。
 しかも、「カジデス、カジデス、ヒナンシテクダサイ」みたいな機械音じゃなく、落ち着きのある江守徹のような声で。
 いやはや恐れ入りました。
 今の火災報知器ってどこでもこうなの?





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 2003.9.25記


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