「セミは何年も土の中で過ごし、やっと成虫になっても 一夏を終えると死んでしまう。」
子供のころに言われた。 だからセミを思いやり、捕まえるのは止めようねと諭される。 これは子供に道徳心を持たせるために言っているのか。
まあでもそんなこと聞く耳持たず、元気に外で遊びまわり セミを乱獲していた子供時代というのが、だれにもあるのではないか。
セミを捕まえるのが、良いか悪いかは別に問題にしない。 だが、セミの一生に対してこういうイメージがないだろうか。
土の中で過ごす幼虫期
・地味でもやもやした思い。 ・はやく脱皮して空を飛び回りたいという気持ち。
成虫となったいわゆる「セミ」
・空を自由に飛び回る開放感。 ・充実した生活を送るわずか数週間。
それは誤解かもしれない。
セミにしてみれば、危険な地上よりも地中にいるときの方がずっと安全に 生きていけるのではないかと思う。
セミとして地上にでたら、もう死ぬまでのカウントダウンが開始されている。 限られた時間の中で、外的から身を守りつつ子孫を残していかないといけない。 これはなかなかのプレッシャーではないだろうか。
「絶対土の中にいた方が良かった」
とセミは思っている、 というのがおれの意見である。
おれも外へ出て元気に活動するよりも、家でゆっくりして ずっと寝てる方が幸せと思うもんな。
・・・セミの幼虫もおれと比べられても困ると思うけどね。 地中も大変かもしれないし。
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