現在午前0時00分。 23歳で居られる時間も、あと1日。
現在午前1時24分。 自分が産まれた時間である、午前2時48分までは起きていようと思う。 今日の午前2時48分から、本当の意味での「23歳で居られる最後の日」が始まるのだ。 あと1時間24分。 今の時間が、24日になってから2時48分までの、ちょうど半分だ。
現在午前2時48分。 23歳で居られる最後の日、の始まりだ。
午前2時48分になる前に、俺はリビングにコーヒーを沸かしに行った。 その時、母親に「産まれた時間が2時48分やから、今日の2時48分から23歳で居られる最後の日になる」みたいな事を言った。 言った後、『まずい、もしかしたら隣の部屋に居る弟に聞かれたかもしれない』と思った。 聞かれていたら、邪魔をしてくるに違いない、と感じたからだ。 午前2時45分になった。 その瞬間、弟がトイレに立った。 そして、2時48分にトイレの水を流し、2時49分に弟はトイレを出た。 狙いやがった。俺が苦痛を被る事を知ってるからだ。 本当に嫌な奴だ。 もしかしたら、明日も同じ時間、弟が邪魔をしてくるかもしれない。
今日は午後14時過ぎに目が醒めた。 23歳最後の日だけど、感覚的には既に「24歳」になってしまった気になっているので、どうしても自分が今23歳なんだ、という事を実感出来ない。
今日の授業は2時限目から4時限目まで。 4時限目は「東洋美術史」 俺が学校に到着したのは午後16時25分くらいで、この4時限目の「東洋美術史」には間に合わなかった。 23歳最後の日だというのに、結局今日も授業を受ける事が出来なかった。 空き教室で弁当を食べ、図書館で「24」のDVDを1話分だけ観て学校を後にした。 その後、本屋で「GANTZ」を買い、スターバックスでコーヒーを飲みながらそれを読んでた。 家に帰り着いたのは午後21時過ぎ。 現在午後22時34分。 俺が23歳で居られる時間も、あと1時間26分。
現在午後23時56分。 今日一日、感じる空気がまるで違った。 何も変わらないはずなのに、心象ってのはこういう事に影響してくるんだな。 あと4分で23歳が終わってしまう・・・
あと2分・・・
あと1分・・・
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