俺が以前住んでいたマンションと、同じ設計士が作った大学があった。 形や構造もよく似ているが、微妙に違う。 生徒たちは、皆日本人なのに全員英語で喋っている。 これじゃ、地方人が居ても判別出来ない。 俺はそこの生徒ではないはずだが、勝手に構内を歩いている。 校長という設定の先生みたいな大人に話しかけられる。 「○○君(俺の名前)、もうちょっと見て行きや」とか、美術がどうのという話をしてきた。 午前1時少し前に目が醒めた。 1月6日を殆ど過ごしていない気がする。 寝起きから、夢の余韻に浸り続ける。 しばらくして、あの子の事が頭に浮かんだ。 寝起きだから、意識の底に入り込みやすいのだ。 お別れした時、どんな感じだったかな。 確か、あの子が「自分はリュカさんの前から消えます」と言い出して、 俺はその時風邪を引いて頭がボケていたので、「こんな状態で訳も分からないままお別れするのもなんだから、それについてまた今度話そう」と返答し、あの子も納得してくれた。 それから、 と、ここで弟が帰宅した。 俺が夢から醒めて、夢の余韻から潜在意識の底に入っていって、あの子について思い出そうとした瞬間のご帰宅だ。 こんなタイミングがあるのだろうか。 ドカドカドカ!と、やたらにでかい音を立てながら、廊下を突き進んでいるのが聞こえる。ジャランジャランジャラン!という、腰につけた鎖の音がやたら五月蝿い。 ガガチャン!ドカン!とドアを開け閉め、ジャン!!と、思いっきり腰の鎖を机にでも叩きつけるような物音が響く。 で、もう一度ジャン!!と、腰の鎖を思いっきり叩きつける音が再び聞こえた。何をそんなにお怒りなのか。 というか、考えていた事が全て吹っ飛んでしまった。 「このタイミングで邪魔してやるのは当然の事だ!」とでも言わんばかりだ。 それから、それから、それから、 もう思い出せない。 お別れした時、あの子はどうやって離れて行ったのか思い出せない。 その後、あの子は俺が寝ている間か、寝起きで寝ぼけている間にいくつかメッセージを残して、そのまま居なくなったんだという事は知っているが、 これはもはや、ただの知識で、記憶とは言えない。 せっかく寝起きの特殊な感覚から潜在意識の底まで沈み、その時の事を拾い上げる事が出来そうだったのに邪魔された!
寝起きの余韻感覚も醒めてしまった。 もう無理だ・・ 実感するのはもう無理だ・・
布団の中でボーっとしていた。 以前、タイプの男の子から聞かされた悪戯内容が頭に浮かぶ。 心の中に、欲望と毒が広がる。 でも、何だかとても平淡だ。 信じられない事、ではなくなったらしい。 俺なんて死ねばいい、と言葉で思った。
メガビの『ラルフ』からの連絡が途絶えた。 昔はよく絡んでいたけど、ここ数年、 向こうが俺に話しかけ、こちらが返答すれば無視してそのまま姿を消して、の繰り返しだ。 何がしたいのか分からない。
いつの間にか眠ってしまった。 午後17時台に、母親に「ぜんざいを作るから」というので起こされた。 ぜんざいを食べ終え、しばらく布団でボーっとしていた。 「俺の変わりに満たした奴が居るからもういいか」 ふと、そんな事が頭に浮かんだ。 タイプの少年がそういう目に遭わされるなんてありえない。 だからこそ、余計に求める気持ちも強くなった。 でも、現実にはそういう子でさえそういう目に遭わされている。 幻想は消え、求める気持ちもなくなったので開放される。 タイプの子がそんな目に遭わされるなんて絶望だけど、遭わされた瞬間からそれは絶望ではなくなるのだ。遭わされたと同時に、自分にとっての絶対も消えるから。 だからもう全部終わったのだ。終われたのだ。 なんて事をボーっと感じた。 ため息が出る。 何でこんなに最低な事が浮かぶんだろう。 そういう子が汚いオジンの犠牲になる事を肯定しているみたいだ。 「そして、これは自分にとっての最高の状況でもある」 「この先、何にも捉われなくて良くなったのだ」とも感じてしまった。 そういう子が汚く犠牲にされる事を望んでいたみたいな考え方だ。 そんな卑しい奴らに都合がよくて、あってはならない考えに染まるなんて、本当に自分らしくもないと思う。 最低だな。 後ろめたさも麻痺してて、言葉で「最低だ」と浮かべるだけになってしまう。
こういう風に思ってしまった状況に、何だかむしょうに悲しくなった。
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