わたしからぽとりと影が落ちるその影は途方もなく深く大きいもののように思うけれどそれは空を覆う雲より遥かに狭く何もかも飲み込むような深海よりずっとずっと浅いこんなちっぽけな影に飲み込まれてわたしは息もできなくなるようなそんな錯覚ばかりしている暗い影の中は自分を守るのにちょうどいい温度で目の前にいる君が泣いていることにすら気付かずに