2006年11月10日(金)
 

じりり じりりと
まだ熱の照りつける
あれは夏の日だった

箱の中で眠っているそのひとの顔は
おしゃべりをしていたときより柔らかく
病院のベッドで眠っていたときより白い肌で
ごそりとこけた頬で
けれど優しそうに目を伏せて
まるで眠っているようで。

おとなたちは
待ってる時間ににぎやかにお酒を飲んで
ほんのすこしの 思い出話と
ほんのすこしの わるくちと
思い出したようにでてきた ちいさなちいさないいところを
代わる代わる口にして
ビールで流し込んでいた

白い骨は
もろくて
壊れそうで

外では誰かの泣く 声がした


真っ黒の衣に身を包んだ
照りつける太陽の下
あれは 本当は花火大会にいくはずの日で
家では赤い浴衣が待っていた


さよなら 嫌いだった


誰にも見られないように
落ちた涙は、黒に小さく染みを作った
それだけ
あの
夏の日





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