Makkie!の日記
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2003年09月01日(月) 記憶

10年以上も前の思い出。

宮城の専門学校を卒業し、北海道旅行中に北見のある職場で働いていた。
僕は当時、札幌の三つ年下の女性と遠距離恋愛をしていた。
毎日の電話と毎日の手紙で、お互いを励ましあっていた。

その日は、つきあってから初めてのデート。
札幌駅構内のミスドで待ち合わせた。
待ち合わせの時間、彼女がやってきた。
少しの会話の後、ふたりで札幌駅南口へ向かって歩いた。
途中僕は、ドキドキしながら思いきって彼女と手を繋いだ。
手を繋いだ瞬間、彼女は僕を見てニッコリと微笑んだ。

4月なのにとても暖かく、天気の良い日だった。太陽と青空がとても気持ちよかった。
手を繋ぎながら、大通公園まで歩くと、見知らぬ中年の女性が近づいてきて、
僕らに向かい手をかざしてきて、こう言った。
「貴方の幸せの為に、一分間お祈りをさせてください」
その宗教信者に向かって、
「幸せです!」
と言って僕らは立ち去った。

映画を観て、ドライブして、藻岩山の展望台で夜景を観た。

僕は北見での仕事を辞め、彼女の近くに住むことに決めた。
札幌の4畳半のアパートを借りた。
引越しの日、そのアパートに着くと、玄関には彼女からのプレゼントが置いてあった。
おそろいのマグカップが二つ入っていた。
僕は青と白のマグカップを抱えたまま、嬉しさに声をあげて泣いていた。



その後、彼女とは3年間つき合ったが、別れてしまった。
いま、彼女に未練は無いが、あの頃の思い出は
誰でもが体験できるのもではないと思う。
だから、思い出だけを大事に、大切に胸にしまっている。

ひどく落ち込んだ日には、その思い出の蓋をあけて、
あの頃の元気を分けてもらっている。


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