Makkie!の日記
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10年以上も前の思い出。
宮城の専門学校を卒業し、北海道旅行中に北見のある職場で働いていた。 僕は当時、札幌の三つ年下の女性と遠距離恋愛をしていた。 毎日の電話と毎日の手紙で、お互いを励ましあっていた。
その日は、つきあってから初めてのデート。 札幌駅構内のミスドで待ち合わせた。 待ち合わせの時間、彼女がやってきた。 少しの会話の後、ふたりで札幌駅南口へ向かって歩いた。 途中僕は、ドキドキしながら思いきって彼女と手を繋いだ。 手を繋いだ瞬間、彼女は僕を見てニッコリと微笑んだ。
4月なのにとても暖かく、天気の良い日だった。太陽と青空がとても気持ちよかった。 手を繋ぎながら、大通公園まで歩くと、見知らぬ中年の女性が近づいてきて、 僕らに向かい手をかざしてきて、こう言った。 「貴方の幸せの為に、一分間お祈りをさせてください」 その宗教信者に向かって、 「幸せです!」 と言って僕らは立ち去った。
映画を観て、ドライブして、藻岩山の展望台で夜景を観た。
僕は北見での仕事を辞め、彼女の近くに住むことに決めた。 札幌の4畳半のアパートを借りた。 引越しの日、そのアパートに着くと、玄関には彼女からのプレゼントが置いてあった。 おそろいのマグカップが二つ入っていた。 僕は青と白のマグカップを抱えたまま、嬉しさに声をあげて泣いていた。
その後、彼女とは3年間つき合ったが、別れてしまった。 いま、彼女に未練は無いが、あの頃の思い出は 誰でもが体験できるのもではないと思う。 だから、思い出だけを大事に、大切に胸にしまっている。
ひどく落ち込んだ日には、その思い出の蓋をあけて、 あの頃の元気を分けてもらっている。
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