Dozy days

2004年05月29日(土)

わたしの父がくれるメールは死ぬ程面白い。12月、実家にインターネットが開通してから、15通程メールを送ってくれているのだが、そのどれもが抱腹絶倒だ。

わたしが実家で杏仁豆腐を作った時の感想メール。

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件名:アンニントウフ

ミク今晩は、食べてみみました、アンニントウフ。実に美味しく頂きました。見た目木綿トウフの堅さ食べれば絹ごしトウフ。口の中に入れるとまろやかな甘さがくちのなかいっぱいにひろがり、いつまでも良い味が残りました。また作ってくださいませませ。家族は楽しみにしています。このメール今日1時間かかりました。それではさらばじゃ。

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コピー&ペーストしております故、父の文章そのままです。「食べてみみました」の誤字につっこみを入れるだけでは足りません。文体全てが面白い。そしてこのメールに1時間かける父。ああ、わたしは彼の娘で本当に良かった。

そして、今日来たメールは更にもの凄かったのです。

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件名:交通事故

5月27日午後3時55分国道6号線の蔵前2丁目付近で4台玉突き事故がありました。1番前がワゴン車2番目がトラック3番目が乗用車4番目がライトバン。ライトバンが信号待ちの車列に突っ込み,次々と玉突き、パトカー2台、レスキュウ2台、救急車2台、数十人の野次馬驚いた。それもそのはず、トラックに乗用車がめり込んでいました。乗用車は大破、なのにけが人なし、トラック丈夫そうなのに、前後ペッチャンコ、けが人有りトラックのドアが開かず四苦八苦やっと出て来たのがお父さんでありました。まもなく救急車に乗せられ、いざ病院へところが受け入れ先が見つからず、3件目でやっと出発5分ぐらいで到着、待たされることしばしやおら出てきたのは、中国の王先生、まずレントゲン、そして再び王先生のところへ
「ここから中国語」王先生::のたさん55さいねあなた、としたから、むかしのこと、いろいろてるね、てもたいちょうぷほねおれてないから。
お父さんは、日本人のお医者の言葉になれているので少し不安でした。
続く。

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事故ってる!なのになんだ、この間抜けさは!「やっと出てきたのがお父さんでありました」まで引っ張りすぎだよ!

「それもそのはず」とか「待たされることしばしやおら出てきたのは」とか、父のセンスが大爆発してしまっています。「ここから中国語」の注釈もナイスだが、それは「中国訛りの日本語」じゃないのか父よ。「のたさん」と言うのは名字です。「のた」って言う名字なのではありません、訛った故の発音です。「いろいろてるね」はわたしにもよく解りません。

そして最後の一文「お父さんは、日本人のお医者の言葉になれているので少し不安でした。」…最高。ちなみに父は55年間日本を出たことがない。

ひとしきり爆笑した後冷静さを取り戻し、実家に電話しました。出たのは父。

未来「ちょっとー 事故ったの?大丈夫なの?」
ちち「あ、うんうん メール見たのか?」
未来「見たよ見たよ だから、平気なの?」
ちち「平気 平気 メール、ちゃんと読んだ?」
未来「読んだってば。何、病院行ったの?平気?」
ちち「うん、まあ メールに続き、って書いてあったろ」
未来「うん、あったけど」
ちち「続き書くからな、書くからな」

…父は事故ったことよりも、メールに書く良いネタが出来たことの方が嬉しいようでした。父の身体にも心配するようなことは起こっていないと考えて良いようです。めでたし めでたし。

日記記録、未来。他 日々のインプット等。