佐野眞一 著 新潮文庫 平成15年9月1日発行 平成12年5月に新潮社で発行された単行本の文庫化。
一年前に読んだ桐野夏生著の『グロテスク』の元ネタにもなった1997年に起こった殺人事件についてのノンフィクション。 事件は平成9年3月8日に起こった。事件後に被害者は昼は大企業のエリートOLであり、夜は売春婦という二つの生活を送っていたことがわかり、世間にセンセーショナルな反応を引き起こした。 なぜ、世間はこのような反応を起こしたのか?彼女は何故、そのような生活を送り殺されたのか? という事件についてを追った本なのだが、私はこの事件については全く興味がなく、『グロテスク』を読むまでは知らなかった。『グロテスク』があまりに面白かったので元ネタに興味を惹かれた本。 最終章に精神科医の斉藤学氏との対話が掲載されている。斉藤氏は日本嗜癖行動学会誌の寄稿でも『グロテスク』とこの件について触れているので氏の視点は興味深かった。
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