年に一度、市場の従業員の健康診断があるのだが、毎年バックレていた。 ところが今年はそうした輩をなくす為に経営者に対して『必ず全員に受けさせろ』 とかなりのプレッシャーをかけてきた。 あまりにもうるさいので渋々受けに行った。検尿、身長・体重、血圧、視力、心電図は 滞りなく終わり、いよいよ採血だ。
このあたりから顔から血の気が失せてくるのがわかった。 同行していたしょうごも『顔が真っ青だけどどうしたの?』と心配顔だ。 そう、注射が大嫌いなのだ。それも尋常ではないくらい・・・ 大抵の人は「すぐ済むんだから」とか「子供じゃないんだから」と心ない事を言う。
例えばグロテスクなものを見せられたら気分が悪くなる人だって珍しくないでしょ? 耳障りな音を聴かされ続けたら不快にだってなるし、驚かされたらびっくりするじゃないの。 人間のごく当たり前の生理現象の1つなんですよ。自分の場合それが強いだけ。 ちなみに小学校の頃から理由をこじつけては予防接種等を免れてきた。
看護婦さんが「注射で気分悪くなったりしますか?」と聞くので「はい」と答えたら ソファで横になって採血することになった。 目を背けてたら「血を見るのが苦手なんですか?」と聞かれたんだけど 面倒くさいから「そうです」と言っておいた。 むしろ血を見るのなんか全然問題ない。針が刺さっている自分の腕を見るのが たまらなく嫌なのだ。
そうこうしてるうちにちょっとした過呼吸になって汗が滲み始めた。 仕事が終わってからだったからまだ良かったけど、就業前にやってたら 間違いなく欠勤してたな。注射しないで済むなら3万円払ってもいいくらいだ。
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