under one umbrella

2005年04月11日(月) ダメだなぁ



「誕生日おめでとう」
今日は誰の誕生日でしょう?
もう何年も、あたしの頭に染みこんでる。
小田の誕生日。



午前中にメールを送ったのに、
ずっと返事がなくて、
あの人は人気者だから、返事に忙しいのかなぁ、なんて。
仕事もあるだろうし。
だから夕方にはもう忘れかけていたんだけど、
帰りの電車で着信。
とるだけとって電車だから後でねっと言って切った。


久しぶりに聞いた、小田の声は。
あたしをにやけさせっぱなしで。
電車の中なのに相当怪しかった。
ダメだなぁ、と思いつつ。



数時間後に交わした、10分程度の会話は。
数年前に毎日交わしていた2時間の電話と、変わらず。
あたしはそれが不思議で、たまらなかった。
変わっていることと言えば。
小田が運転しながら、イヤホンマイクで喋っているくらい。

小田はあたしがあげたメールにいたく感動して。
たくさん「ありがとう」と言ってくれた。
「覚えててくれたんだね」って。
あたしにとっては、当たり前のことだから。



いつも、優しいのよね。
あなたの声は。
やすらぐ、響き。









でも、気づいたのが。
電話の向こうの小田が、
何だかいつもの寺島に似てるってことで。
「疲れたー」と、
子どものような声で話してきてて。
「どうしたの?」
ってあたしが聞いて。
あれ、これじゃいつもと変わらないじゃんと独りごちた。
そして苦笑する。






あたしがこの2人だけに本当の恋をしたのは。
どこかで2人が似てるからなのかな。

優しさの種類も違うし、
どこ、って確実には言えないけど。


それがあたしに恋をさせたのかな。
想うだけで幸せで、
傍にいないと苦しくて、
想われないのが切なくて、
それでも失いたくない、
本当の恋。







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