無事、合宿から帰ってきました。 長崎は雪が降っていましたが、 テニスをしていました。
皆ずぶ濡れで、 雪が冷たくて、ボールは重たくなって。 けれど誰も、やめないんです。
やっていれば、寒くない。 そして、やりたい。 そんな人達ばかり集まっているクラブです。
中・高とブラスバンドだったあたしでさえ、 こう思うなんて思わなかった。
ブラスバンドは雨も雪も関係なくて、 寒いなぁくらいしか思わないけど、
降ってても続ける、続けたい、 冷たいけど、寒くないしむしろ暑い。 そんな感情を。 あたしの人生で感じることが出来たというのは、 自分で驚き。
何もしていなければ、 それが楽しいということも知らなかった。
テニスコートを宿の窓から見て、 寒いのに何してるんだろう、って思ううちの1人のままだった。
テニスをしている寺島を。 見るのが当たり前になったのが、 変わったなと思う瞬間。
いつかの日記にも、 「している姿は大分見ていないけれど」 とか書いていたのを思い出す。
そしてその頃の日記より、 格段に寺島の近くにいて、 寺島といるのが普通になってて、 それは多分あたしの恐れる「依存」ではない。
今、あたしは確実に「あたし」になりつつある。 昔とは違う。
けれど、感情は昔のままで、 究極に言えば中3のままで。
ふとしたときに感じる寺島の匂いに、 くっ、とあたしの動きが止まったり。
寺島が発した冗談に、 止める間もなく涙がこぼれたり。
寺島は優しく相手してくれて、 「馬鹿」って言って笑ってくれて、 その笑顔があたしにはひどく眩しくて嬉しくて、
最近のキスは、優しい。
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