under one umbrella

2005年02月15日(火) プレイボーイ



何がきっかけで涙が出たのか、
もう忘れてしまった。


必死に隠していても、
顔が震えているのが自分でもよくわかった。


涙のしみが、寺島の服に出来てしまってた。
服を気にする人なのに、何にも言わなかった。



話は相変わらず、桃子の話だった。
2人で毛布にくるまっているのに、と思ったのが、
きっかけだったかしれない。




まりあ、と寺島が呼んだ。



ん?と答えた声は、普通の声だったはず。




寺島は顔をあげさせて、
話を続けながら涙を指で軽くぬぐってくれた。

その後、きゅっと抱き締めてくれた。



何にも言わなかった。
腕を解いた後、また桃子の話をしたか、別の話になったか、
それも憶えていない。




ただあたしは。
この反応が1番嬉しいってことと、
寺島が受け止めてくれたことだけ思っていた。
今までもずっとそうで、あたしだけが、
被害者面して甘えていただけなんだと。

寺島は、あたしを大事にしてくれてる。
何にも力になれないあたしなのに。
可愛くもなく、目の保養にもならないのに。




桃子の話をする一方で、
あたしの話もしてくれる。
いろいろと邪推してみるけど、
そこまで考えるプレイボーイでもないな、と思う。
だから素直に受け取っとく。





「上着 ¥2,990、

ジーパン ¥3,990、

まりあ …プライスレス」


「ご機嫌をとるのが上手くなったじゃない?」


「そんなんじゃないよ(苦笑)ホントだよ」





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もうたくさん、受け止めてもらったから。
これ以上は、悪いよ。




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