2004年11月12日(金) |
けど、否定はしてくれなかった。 |
恋人ごっこが、うまくなる。 そして必要以上に、肌が恋しくなる。
寺島が、夏の自動車学校で出会った女の子。 祥子、って呼び捨ててたときは驚いたけど、 完全に友達として見てるって、早くからわかった。
久しぶりに祥子ちゃんの話が出て、 自動車学校には行ってないのに、って聞くと、 電車が同じなんだと返ってきた。 また少し、羨ましい。
最近、冗談が増えた。 苦笑するような。
「陽ちゃんが口にした女の子の話は全部覚えてるよ?」
「じゃぁ俺がお前以外に抱いた女は?」
「祥子ちゃん」
「…何で祥子だよ(苦笑)彼氏いるよ」
「仲良しだからー」
「あのねー、祥子はもう『友達』に固定されてんの。
俺の中で」
「ふーん。じゃあたしは、
『セフレ』に固定されてるんだね」
寺島は少し笑ってくれたけど、否定はしてくれなかった。
でも、これは木曜日の昼間の会話。 寺島は、学校サボって来てくれた。 幸せのハードルを低くしたら、全部幸せになる。
下手にフォローなんてしなくていいよ。 あの頃みたいにきつく抱き締められることも、 どちらからともなくキスする瞬間も、 2度と戻ってこないって、やっと実感した気がする。 だから。
失ってから、1年以上経つのにね。 ごめんね。
言わない努力も、すごく大事だと思う。 思うけど。 やっぱり、支えて欲しいときもある。
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