under one umbrella

2004年07月05日(月) だって、そんなことなら


「彼氏作らないの?」って、寺島から聞かれて。
あなたが好きだからなんて、全然ひねりのない答えを返せるわけない。
ひとしきり「彼女が欲しい」って主張を聞かされた後じゃ、尚更ね。


何だかんだ言いつつ「彼氏」「彼女」にこだわってる自分は、嫌いだ。
結局は今の自分も、認めきれていない。
いつもは逃げてるから、楽なだけで。
一度考え出すと止まらずに、最後は泣いてしまっている。
茶原に、怒られるなぁ。



「彼氏」は、寺島しかいたことないから、どういうものかわからない。
「彼氏」だからわがまま言えるとか、「彼氏」だから話を聞いてくれるとか、
「彼氏」の前だから泣けるとか。
そういうことでもないだろうと思うし。


だって、そんなことなら市丸で十分だ。
別に「彼氏」にしなくたって、そうやってくれる人はいる。
それを他人に甘えているっていうなら、
「彼氏」だって他人じゃないかって話。

「彼氏」には何でも甘えて良いんだ、って人を見たことがあるけど。
おかしいよって思う。
そう簡単に、何もかも甘えられるほどの絆なんて出来るわけ無い。
数ヶ月で出来たと思うなら、それは自分だけだと思ったほうがいい。
相手もだと思いこんで行動すると、何かがずれてくるから。
ずれた人を何人も見たから。

そしてその絆をつくるプロセスが。
今のあたしには、ひどく億劫だ。



寺島や、市丸が。
素のあたしを知っていてくれて。受け止めてくれていて。
居心地のいい時間を、たくさんくれるから。
この先に出逢う人が、この人達以上にあたしを知るなんて、
出来ないんじゃないかって。
思うときがある。


だから「彼氏」を作る意味なんて、全然わからないし。
君がいてくれたら十分だよ、ってセリフの本当の意味までは、
伝わらないだろうと思って、言えなかった。

俗っぽい恋愛感情だけが、寺島の中のあたしを彩っている気がする。
でもあたしの中の寺島も、きっと要らないもので飾られている。
だから言えない。

それでも、寺島があたしにくれる何かは、
他の誰もくれない何かだ。



寺島が知っていてくれる。
そのことがあたしに与える安心感は。
何の感情なのか、よくはわからないけど。


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