2004年04月29日(木) |
「縁切り」「抹殺」「過去の人」 |
涙は、多くは無かった。 「慣れ」と言ってしまえば悲しいけれど、 寺島との「別れ」は、もう何度も経験していたからだと思う。 頭はポジティブに切り替わっていた。
頑張らなきゃいけない。 ちょうど今日から大学生活が始まったのだから。 あんな不埒で、未来の無い関係は終わらせなければならない。 新しい恋を探さなければならない。 大丈夫。 頑張れる。
というより、腹が立つ。 それは、寺島に対して初めて持つ感情だった。 「むかつく」とか、「悔しい」とか、「怒り」とか。 思ったことなかった。 感じたことなかった。 だけど今回だけは、腹が立つ。 あの人を追うのなら、今日言ってくれればよかったのに。 信じなかったあたしも悪かったけれど。 ものすごく悪いことをしたけれど。 何故、何故言ってくれなかったの。 何故あたしは市丸から聞いてるの。 そう考え出したら止まらなくて。 今までの関係も許せなくなって。
深夜に、寺島に電話した。 途中までメールでしていたけれど、返事を待つのが嫌になったから。
そこであたしは、 「縁切り」宣言をされ、 「抹殺」宣言をされ、 「過去の人」宣言をされた。
要するに自分はもう、忘れたいのだと。 未来へ向けて歩きたいのだと、寺島は言った。
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