under one umbrella

2003年06月15日(日) 「悔しくって」



正直言うと、本当に来るなんて思ってなかった。
来るといいながら来なかったことは、付き合ってたときでさえあったし、
彼の両親に彼が使えそうな口実は、もうなかったハズだから。
受験生には、時間はない。
だから、キャミソール1枚にジーパンという、いつもの休みの日のスタイルで、
のんびりと本なぞ読んでいた。
彼が家に入ってきたのが見えて慌てたのが、午後1時。


慌てても、待たせるわけにもいかずに、結局その格好のまま、彼を迎えた。
「今日は何時に帰るの?」
「6時半かな」
驚いた。
付き合ってたときに、そんなに長い時間がとれたことは、あまりない。
皮肉なことね。
おかしくって、涙が出そう。
「どうしたんだ?」
「悔しくって」
今さら嘘なんて、つけない。
「泣くな」
「ごめん」



いつもしてたような、一通りのことをしたって。
時間はまだまだたくさん。
5時間半は、長い。


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