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|過去日記('03/5〜'04/6)
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「ひろし。…ひろし」 「ん…」
間近でささやく仁王の声に、柳生が眠そうに目をこする。ブランケットから出した腕が少し冷んやりとして、けれど触れ合った素肌はあたたかい。柳生はそっと目を開き、目の前で微笑む仁王の顔を見つめた。
「まだおねむかの。朝じゃよ」 「仁王くん…、おはようございます」
言いおわらぬうちに、仁王の唇が軽く柳生の頬に触れた。ほどいた髪がさらりと柳生の額にかかる。
「ふふ、くすぐったい」 「今年最初の挨拶じゃ。おめでとうさん、ひろし」
柳生の頭を抱え込むようにして仁王が言う。両腕を伸ばして柳生も軽く抱き返した。枕が柔らかな衣擦れの音を立てる。
「おめでとうございます、仁王くん」
互いの胸を合わせて、二人はベッドの上で新年を祝う言葉を交わした。絡まる脚の感触が心地よい。窓からこぼれ来る朝の光が優しく二人の髪を照らす。
「起きて初詣いこ」 「はい、そうしましょう。あ、でも、まずお雑煮たべてからですね。すぐ仕度します」 「うん」 「…あの、」 「うん?」 「離れてくれないと起きられません」 「うん」 「…」
起きようと言っておきながら仁王はなかなか体を離そうとしない。離れるどころか、ますます体を密着させて抱きついてくる。
「仁王くん? 起きなくちゃ」 「…やっぱり、もうちょっとこうしてたい。ひろし気持ちいい」 「こんな骨っぽいの抱いてたってそんなに気持ちよくないでしょう」 「んー、そんなことなか。あったかくてすべすべして、気持ちいい」
柳生の喉元に頭をすりつけて、仁王は甘ったるい声を出す。子犬みたいだ、と思いながら柳生はその髪に指を通し、銀の糸をすいてやる。
「仕方ないひとですね。じゃあ、もう少しだけ」 「うん」 「ほんとに、少しだけですよ」 「ひろし、今年もずーっとそばにおってな」
うっとりと目を閉じてささやかれた言葉に、柳生は小さく笑みを浮かべる。くるり、と体勢を入れ替えて自分が上になると、額に軽く口付けながら、同じくらい優しく言葉をかけた。
「あなたがいやだと言っても一緒にいます」 「ひろし、俺、ほんとにお前が好きなんじゃ」 「わかってます。僕もあなたが好きですよ」
重なる肌のぬくもりが愛しくて、もうしばらくこうしていてもいいかな、と柳生は考えた。
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あけましておめでとうございます。 新年から砂糖漬けのミニミニ28でした。テキストに上げるまでもないのでこちらで。
ちなみに明日から仕事です。 バイト先で別件のバイトをするという、ちょっと変な状況なのですが、休日出勤で時給がいいので頑張ってきます。それが2日間ありまして、それが終わると4日からまた本業の研修に戻ります。あー、お正月休みでもうすっかり脳がリセットされてしまったよ…どうしよう…。
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2006年初の拍手おへんじです
>31日のA月さん 冬コミお疲れさまでした! いえいえ、陣中お見舞いとは申しつつ、お邪魔にならなかったかと、それが心配です。Nさんもご一緒だったのですね! 会場寒かったようで…お風邪など引かれませんでしたか? こちらこそ、昨年はいろいろお気づかいいただいて嬉しかったです。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
>1日のN月さん 新年のご挨拶ありがとうございましたvv わたくしのほうこそ、昨年は折々にメッセージいただいて元気を頂戴いたしました。N月さんの日記もいつも前向きで勇気づけられております。マイペースって大切ですよね。私はまだ生活のペースがうまくつかめていない感じなんですが、N月さんを見ならって自分に合ったペースを探していきたいと思います。今年もよろしくお願いいたしますね!
>1日午前1時ころ「思わずの書き込みにお返事が!驚。こちらこそ恐縮です。またこっそり寄らせて下さい。えと、お伝えしたかったこと。峰岸様の文章ほんとに大好きです。」のかた (切れて書き直してくださった部分は割愛しております) もしかして、先日「ずるいひと」にコメントくださったかたでしょうか?(違っていたら申し訳ありません)ふたたびのコメントありがとうございます。文章が好きと言って頂けて、こんなにうれしいことはありません、感激です。こっそりでもハッキリでも(笑)、お気が向かれましたらまたぜひいらしてくださいませ、いつでもお待ちしておりますv
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