この前、職場近くのスーパーで懐かしいものをみつけた。 陳列棚の札に書いてあるのは、その名も「北のきびだんご」。しかし、パッケージの表には商品名は書いていない。書いてあるのは、勘弁してくれよの北海道庁公認キャッチフレーズ。しかし、その袋から透けて見えるそれは、まぎれもなく、北海道の子どもの主食、きびだんごである。
←これこれ。このキャッチフレーズ、確かたくぎんが破綻した後に決まったんだ。実際、北海道は日本の実験地だけどさ……。北海道限定と称して新商品の市場調査したり、ためしに銀行つぶしてみたりな。 |
気を取り直してきびだんご。北海道人が言う「きびだんご」は、桃太郎がさる・いぬ・きじに与えたようないわゆる団子型のものではない。黍とも吉備とも多分あんまり関係ない。それは、こーいう(写真参照→)短冊形をしている。これぞ「The きびだんご」、谷田のきびだんごだ。道産子がきびだんごと言ったら、これ以外にあり得ない。北海道で幼少期を過ごした者なら誰もが思わず手に取ってしまう、この道民食。山に行くときには欠かせない非常食としても珍重されている日持ちの良さとカロリーの高さ。キャラメルなんかお呼びじゃないのだ。 これに道外でお目にかかれるとは思っても見なかった。スーパーで見たとたん、それを包むオブラートが上あごにくっつく感触、形容しがたいもっちりした噛み応え、そしてそのねっとりと歯にこびりつく食感としつこいほどの甘さ等々が一瞬のうちに脳裏によみがえって、パブロフのイヌ状態になった北条。もちろん迷わずカゴに放り込み、家に帰って早速食してみた。 が。 なんだか違う。まず、手にしたときの弾力が違う気がする。そして噛んだ瞬間の歯ごたえが、慣れ親しんできたあの食感とは明らかに違う。固い。味は確かにあのきびだんごなのに。そういえば桃太郎の絵も違ったような……と思って包み紙を見てみたら、やっぱり製造会社が違うところだった。 あんパンと言えば木村屋、カステラと言えば文明堂と同じくらい、きびだんごといえば、谷田のきびだんごなのに!!! 谷田じゃなきゃやだーーー!!!!! なんて道外だとそんな贅沢も言えるわけもなく、この味が味わえるだけでも幸せです。はい。すっかり常備食になってます。もちろん、職場でも。小腹がすいたときに丁度いいのよね。
谷田製菓は、きびだんごと大嘗飴という二つの商品だけで勝負している北海道の老舗である。どちらも道民にとっては欠かせない、昔なつかしい駄菓子系おやつ。大嘗飴は、夏は暑くて溶けるから冬季限定商品なんだよね。平べったいのを金槌でがんがん叩いて割って食べるのだ。う〜ん、懐かしい。 谷田製菓のHPはこちら。栗山だったのか。知らなかったなあ。通販が実現したら、絶対買う。箱で 。
こういう、郷愁を誘うなつかしの限定食べ物って、他の土地でもあるのかな。あるんだろうなあ、きっと。
←ちなみにこれがきびだんごの正しい食べ方。包み紙をむいて、歯形を鮮明にしながら食べるのがコツ。 |
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