ぼんのう
DiaryINDEX|past|will
団地の近くと会社の近く(旧近鉄裏)に黒猫が住んでいることは以前日記に紹介した。我輩は元々ペット好きではあるが、特に猫が好きで、機会があれば飼いたいと思っている。団地だから無理だが、ハリネズミなら飼えるかもしれない。一度、手のひらに乗った丸くなったハリネズミが、顔を出してこっちを見ている写真があり、大変萌えたことがあったが・・・高いんだよな・・・残念だ。
昼飯時に、いつもの怪しい500円ランチの店に行く途中で、例の黒猫と出会った。旧近鉄裏は昔、“赤線地帯”と呼ばれた場所で、その手の店やラブホテルがあったりする。ここなら、老体に鞭打つヤクザの爺さん達を見かけることができたりする。すごいよー、お達者クラブのヤクザ。薄い髪の毛を無理矢理やりくりしての、今時見かけない変形(!)パンチパーマの、縦じま黒背広のご老体ヤクザとか、お辞儀をする時、苦しそうに両手を両膝に乗せる、台湾の裏道に出てきそうなご老体ヤクザとか・・・ここだけ微妙な感じに、時間が止まっている。というか、今時パンチパーマのヤクザってのも、哀愁を誘うな。
脱線してしまった。例の黒猫が、開店前のおさわりバーの前で、日向ぼっこしていた。横には、子供黒猫が、エサを無心に食べていた。どうやらこの店で、外猫として飼っているみたいだ。そういえば江戸時代、上は大奥から下は女郎屋に至るまで、そこで働く女性たちの間で猫を飼うのが、一つのステータスだったという。将軍から相手にされない大奥の上の位にいる女性たちは、献上された珍しい猫をかわいがり、苦界の中、自らの操一つで花魁となったありんす言葉の女たちは、猫を事の他大切に育てたそうだ。
古文書によれば、猫は陰に属する動物で、女性と深い関わりを持つという。ケモナーならずとも萌える「猫耳」(そうか?)というのも、女性キャラ特有のモノであることが、なんとなく理解できる。
寝そべっている黒猫の腹をくすぐりながら、バカみたいな言葉をかけた。
「お前さん、長く女の世界を体現してきたんだな」
黒猫は気持ちよさそうに、ゴロゴロ鳴くだけであった。
|