ぼんのう
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「華氏911」
政治信条は別として、マイケルムーアのファンである我輩がなぜ、今の今まで観る事ができなかったと言うと、単に時間がなかっただけ。
で、感想?
んー・・・一言で言えば、マイケルムーアらしさが 全くなかった。
「ボーリングフォーコロンバイン」にあったような、『問いかけ』はなかった。「ロジャーアンドミー」等で観られた、アポなし突撃も皆無だった(議員が会館から出てきたところを捕まえるシーンはあったが、あれはアポなしでも何でもない)。表現の拡大パロディーもなかった。そして何よりも、がっかりした点として、
最初から悪人が決まっている
という点であった。
マイケルムーアがブッシュ大統領を批判する側であるのは判るが、そればかりに終始してしまっている表現・・・エルウッドが探偵映画を作ったら、こうなるような感じで、納得できない。 それ以前にマイケルよ、クリントン政権の時も、結構批判していたよね?
要するに、マイケルムーアは、時の絶対権力に対して、条件反射的に笑いコケにするだけの作風なのである。ただ「華氏911」については、笑いをとることを忘れ、誇張したパロディ技法を止めてしまい、単なる批判映画にしてしまった。この底の浅さは、かえってブッシュ政権を利することになるのでは?・・・そう感じてしまった。
批判する側から、批評される側になってしまったムーアが、初心に帰る事を強く望みたい。 栄光と成功体験に乗ってしまうと、かならず破局が訪れる。
今のゲーム業界に対しても言えるけどな。
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