ぼんのう
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2000年10月25日(水) 大変良い本

非常におもしろい本を購入。

「ローマ人への20の質問」 塩野七生著 文春新書

塩野女史「ローマ人の歴史」シリーズを欠かさず読んでいる我輩にとって、買わな
いはずがない書籍である。 昔から「ローマは何故滅んだのか?」という問題に対し、数多くの歴史学者や哲学者等が答えを出してきたが、 我輩としては、中国等に
おける数多くの王朝と違い、何故逆にこんなに長く存続できたのか…という疑問を
抱いていた。

女史のこの書籍は、「ローマ人の歴史」のエッセンスを、古代ローマ人との対話という形式で 簡単に面白く、しかも核心を衝く形で作り上げた良書である。

そして(個人的な理解故、間違っていたらすまない)女史の考え…ローマ人の存在、帝国の存在、そして滅亡の原因を以下のように考えていることに深く共感した:

ローマ帝国に“ローマ市民(=国民)”はいても“ローマ人(=民族・血統)”は無意味であった…民族的・血統的な意味における“ローマ人”へのこだわりを持たなかった事が、帝国として存続しえた最大の力であった。 重要なのは、“血”によるつながりではなく、ローマを偉大ならしめようとする“意識”“覇気”“義務”に対するパワーであり、市民”たる“名誉”に拠るものであり、民族や部族、征服・被征服は関係なかった(ローマ帝国は、被征服部族に対しても、条件が整えば市民権を惜しみなく与えた)。

そして帝国が滅んだのは、特定の原因ではなく、時間的な流れとしてパワーが持続
できなくなった… 「気力の衰え」(同書199頁)であり、「いつ、何が原因で自信を喪失してしまったのか」(同書199頁)を探れば答えが出る…。




翻ってみよう! ゲーム業界を! 日本を! 皆、疲れたようだ!


ANDY 山本 |HomePage

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