2008年04月09日(水) |
no country for old men |
仕事後、六本木ヒルズへ。映画「ノー・カントリー」を観に行く。日比谷シャンテでもやっていたんですけど、快適で好きなのは六本木の方なので。レディースデーでしたが、女子どもは揃って「マイ・ブルーベリー・ナイツ」の方へ。「ノー・カントリー」はガラガラでした。「ファーゴ」みたいな感じかと思ってたけど、数倍良かった。映画全体の空気も良かったんだけど、このいい感じが言葉ではあまり説明できない。楽しみにしていたハビエル・バルデムは悪意とか狂気とかいうのを通り越した、逃れられない災難みたいなものを顔全体から漂わせてて良かったし、他のキャストもそれぞれに良かった。余計な言葉が全部削られて、残った言葉で進んでいくような脚本も素晴らしかった。
今のアメリカがどうとか、病んだ現代社会がどうとかについてとやかく言う人もいそうだけど、そういうのは全部ナンセンスかと思う。映画全体に漂うサスペンス的緊張感よりもそのすぐ後ろに、うまく立ち回れる自信があったはずなのにどの時点からだったか分からないうちに結局どうすることも出来ないということに気づいてきてただもう諦めて眺めているしかないような空気が常にあって、その感じはトミー・リー・ジョーンズが象徴的に担当してるんだけど、そうじゃないシーンにも常にその空気は流れていた。基本的に映画を観に行くのはいつも1人ですが、これは特に1人で観に行って良かった。この映画について観終わってから誰かと話したいと思わない。この映画について感じることは自分以外の人とはあまり共有できないもののように思う。でももしクルクルパーマにヒゲメガネの兄弟が友達だったなら「お前らすごいいい映画作ったな!」と大喜びで褒めたたえたいような映画だった。読み物にできなくて映画にできるのはこういうことだと思う。セリフやストーリーに直接ない空気を映像で見せるようなこと。
六本木の大きな花屋で働く友達のところには行けず、終わった後会えそうならと思ってメールしたら今日は飲み会だそうでした。青山ブックセンターに寄ってあれこれ見てたらけっこう時間が経ってて、アケミちゃんから携帯にメールが来てるのに気づいて時計みたら11時を過ぎていた。本2冊買って帰る。
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