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朝起きて窓を開ける。針葉樹の香りが鼻腔を満たして、うーむ、空気がうまい。しかし、12畳間に一人寝というのも寒いものだ。窓を閉めて 布団に逆戻り。遥か彼方にある石油ストーブのスイッチを入れてしばらく布団の中で丸くなって待機。朝ご飯を食べて、T口夫妻と泊まりに来ているお孫さん(以下「坊」)とで隣町の歯医者さんへ。二人が治療中私は坊の子守。ここの歯医者さんは待合室が畳敷きだっ。外見は首都圏の歯医者さんと変わらず、待合ロビーに普通のソファもあるが、その隣に6畳間併設。畳敷って案外効率がいいような気がする。荷物も置けるし、詰められるし。私はもっと離れた町の歯医者さんに通っていたので知らなかったが、こっちではわりとあるらしい。 ついで、スーパーで買出し。焼餅網を買う。198円。こういう単純なものって東京のスーパーだとなかなかお目にかからないので、丸と角と2つ買う。あとでよく見たら販売元は新宿区だった。いったんT口邸へ荷物を置きに戻ってから、もちつきへ。作業場に着くとブロックで作ったかまどにじゃんじゃん火をくべて蒸篭(せいろ)でもち米を炊いていた。建物の中(作業場兼倉庫)でうすと杵とで盛大にもちをついている。つき立てを早速手づかみでいただく。おいしい! ここは農業法人の作業場なのだ。作り手がいなくなった近隣の田んぼを借り上げて、法人組織として米を作り流通させようという狙い。私たちが過去に住んでいたあたりは、山間の集落で、日当たりはあまり良くない、水は冷たい、ということで質や形が均一の米がとれないそうなのだが、実は平地の米よりも米の味はいいのだという。農協の規格に合うのは平地の米で、山の手の米はこうした流通経路にも乗りにくいのだという。しかし最近は米は自由流通しているので、生産者が直接米を売ることが出来る。そこで一般には流通しにくいおいしい米を安めの価格(5kgで2200円ぐらい)で直販しようというのが、ここの法人の試み。作物を作る以外にも都会の人たちの農業体験を企画したり、いろいろと面白そうなことをやっていて聞いているだけでワクワクしてくる。今回のもちつきは、お得意さんや普段お世話になっている人たちに分けるためだそうで、作ったそばから近所の人たちが笑顔でつき立てのお餅を持って帰っていた。 T口邸では玄米で購入していてご飯を炊くつど精米しているそうで、どうりでおいしいはずだ。いつかT口家から新米をもらったときのあの信じられない手触りと香りを思い出す。玄米で購入できるなら、新米の時期からはすでに数ヶ月経っていても、味はそんなに落ちないだろう。宅配便と郵便振替で全国どこへでも送ってくれるというので、都会に住んでいても十分おいしいお米は食べられる。早速我が家でもこのお米にしようと心に決めて注文書をもらって帰る。 こういうものは、米どころに住んでいるからといっておいしいお米が手に入るとは限らない。直接農家に知り合いがいるか、販売ルートに伝手がないと結局はスーパーや米屋など、一般の流通ルートで買うことになる。一般的な米の流通ルートは必ず古米などの抱き合わせ販売があるので、普通に買っていたら何割かは混ざっているものを買っている可能性もある。生産者の顔が見えない作物というのはここが怖いのだが、たとえ生協で買っていても事情は同じである。しかし今回はまさに生産者と直接知り合いになれたので心強い。2005年からはおいしいお米が食べられそうである。 #おいしいお米が食べたーいという方、注文書をpdfファイルでお送りします。メールご連絡くださいまし。
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