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それは「おじさん」だ。「おじさん」は傷つきやすい。 変なメールがきっかけで知り合ったFeliceさんとは、やりとりするようになって一ヶ月以上が過ぎ、最近ようやく「変なメールで」という枕詞がお互い取れてきたところである。で、英会話スクールに通っているFeliceさんは、以前のクラスメートで苦手な初老男性がいたのだが、今になって考えてみると彼も彼女のことが苦手だったのではないか、ということに思い至ったという話が11月5日の日記に出ていた。 これは私も思い当たる節がある。まあ偏見も入っているが語学のクラスで一緒になる初老男性というのは、自分はあんまり出来ないのに、人の間違いはすぐに指摘したり、教えたがりだったり、頑固だったり、とかく優位に立ちたがったりすることが多く、できればグループワークで一緒には組みたくないと思っている。夕方の早い時間や、昼間の主婦の多い時間帯には、リタイア後の余暇のために語学を勉強しようという人が多く、こういう傾向がより顕著な気がする。 多分一人ひとりは、常識をわきまえた正しい社会人であり、よき家庭人であるのだろうが、これはあくまで「男社会においては」という注釈つきである。「男の子だから泣いちゃいけない」とか「男なら負けるな」とか幼少の頃から理不尽に他方の異性(つまり女だわね)との差別化を強いられ、「男は黙って○○ビール」とか、「男は度胸、女は愛嬌」とかいう戯言を真に受けて成長し、長じては男社会の年功序列で守られて、女性社員を「女の子」と呼んで名前も覚えずにきた世代が、突然それらの枠組みが通じない環境に放り出されたらどうなるか。目の前に座っている女性が、恋愛対象でもなく「会社の女の子」でも「近所の奥さん」でもなく、軽くあしらえる相手でもなく、年下なのに(という尺度がそもそも「残念!」だが)明らかに能力が勝っていて、優位に立てないと感じた場合、彼らはどうなるか。おそらく今まで経験してきた範疇にない存在の出現に彼らは大いに混乱するのではないか。そして、自分が傷つかないように無意識のうちにさまざまな防衛(無視するとか)や攻撃(いやみをいうとか)をしてしまうのではないだろうか。 幸いにして、私の今の仕事の関係にはそういうタイプの人はいないので、どうしてもそういう人と付き合わなければいけないという憂き目にはあっていないのだけれど、OLをしていた頃はたびたびそういうことに出くわしたし、「若い女の子」ではなくなったとき、それは顕著になった。具体例を挙げると話があらぬ方向に行って収集がつかなくなりそうなので、詳細は省くが、男の女に対する嫉妬は陰湿で執念深いと思う。そして嫉妬心をもった能力のあまり高くない男性たちが徒党を組んだとき、これはもう感嘆するほど団結力を発揮する。けっ。でも、そうでないと多分、彼らは壊れてしまうのだ。おおげさでなくアイデンティティの危機なのだ。だからといって彼らの気に入るように振舞うことももはや(もはや?)無理なので、触らぬ神に祟りなしで、そういうタイプの男性とできるだけお近づきにはなりたくないと願うのみである。
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